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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

2020年の振り返りと2021年に向けて

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あけましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いいたします。 毎年書いてる振り返り+抱負的なエントリを今年も書きました。

研究

ずっとやってたBluetooth Low Energyの研究のジャーナル論文がようやく英文論文誌Sensors and Materialsに採録されました。来年publishです。研究に着手して約4年、最初のジャーナル投稿から約2年。長かった。。。

昨年は主著の成果はそれだけですね。昨年末に、博士論文の内容をまとめてIEEE ICHMS(International Conference on Human-Machine Systems)に投稿してたショートペーパーは不採録で(ショートなので通るだろうと油断してた・・・)、同じ会議のポスターに出し直そうかと思ったものの開催時期が4月上旬でコロナ禍でどうなるかわからなかったので見送り。会議は結局9月にオンラインで開催されることに。他に適当な会議もなかったので、結果論としては出しておけばよかった。。。

共著では、国内学会で3本(IEICE総合大会、UBI、DPSWS)発表。今年はジャーナルと共著学会発表だけなので、自分では1度も発表をしなかったのだな・・・。今年も年度内に共著発表が2本(IPSJ全国大会、IEICE総合大会)あります。

あとは、競争的資金の申請でACT-X(面接したけど不採択)や、別のネタで科研費(若手)を書いたりしてました。結構時間取れられたけど、計画を立てるためにあれこれサーベイして来年度以降のネタの弾込めができたので無駄ではなかったはず。科研費取れても取れなくてもこれから研究していきます。

学会仕事

情報処理学会の会誌編集委員(3年目)とMBL研究会委員(2年目)は継続。DICOMO2020(プログラム委員)とEC2020(運営委員)はオンライン開催でした。国際会議ICMU2020(Poster & Demo Chair)は今年は開催せず1年スライドしてそのままの体制でICMU2021に。DICOMO2021とEC2021も引き続き委員です。

コロナ禍の影響

今年は、一生で一度どころか人類史で一度しかない(次もしパンデミックが起こった際には全然違う状況になるはず)極めて貴重な時期で、心情変化などを忘れずに残しておきたいと思って、なるべくblogに書くようにしました。春のうちに書きたいことは書ききった気がするのでそれ以降は書いてませんが。

仕事編

仕事では、いまは週1〜2回程度出勤し、残りは在宅勤務です。もともと家で作業する環境は整っており(元社会人学生・元フリーランスなので)、一人暮らしなので、在宅勤務は全く問題なかったです。在宅の方が集中するまでに時間を要する感はあるのですが、出勤すると会議室が足りない問題があったりするので、総じて自宅の方が快適です。

また、例年、Interopに始まり、NICTオープンハウスやCEATECなどで研究紹介展示を行うという流れなのですが、今年度はこれらが全てなくなりました。また、例年だとだいたい月2回くらいで会議などで東京などへ出張してたのですが、これもなくなりました。その結果、例年よりもかなり時間的余裕ができました。

生活編

余裕ができた分、時間を何に回したかというと、まず寝る時間が増えました。昨年までは年中睡眠不足だったのですが、今年はたくさん寝ました。出張があると早朝の飛行機に乗ることが多くて睡眠時間が足りなかったりするし、海外に行くと時差もあるので、すぐに生活リズムが崩れるのですが、今年はそれがまったくないので規則正しい生活ができました。

睡眠を十分とれたおかげで、自律神経を整えることができ、体調の微妙な変化にも気づきやすくなりました。寝る前にお酒を飲むと睡眠が浅くなるとか。また、以前までめちゃくちゃひどかった眼精疲労が、いまでは嘘のようになくなりました。睡眠不足が原因でした。いまも睡眠時間が短い日は眼精疲労が起こるので、原因がわかりやすい。自律神経を整えるために、朝の散歩も習慣にしていました。秋以降、熊が出てからは散歩できなくなってしまったのですが。。。

毎日家にいるので、季節の変化を今までで最も感じる一年でした。日の長さの変化も気づきやすいし、ちょうど自宅のベランダが田んぼに面しており、休憩時にベランダに出て稲が成長する様子を眺めるのが日課でした。

仕事でもプライベートでも海外行くのは楽しみの一つなので、それができなくなったのは残念ではあるのですが、5年とか10年スパンで行けないならともかく、1〜2年くらいなら全然大丈夫です。昨年の秋から今年の冬にかけてだいぶ予定を詰め込んでロンドン、グルガオン、バンコク、深圳、バンコクマドリッドに行っていたので、海外成分を溜め込んでいたというのもありますが。

遠出ができない分、県内や近隣の観光地を巡ってました。北陸は感染者数も比較的少なく、移動はすべて車なので交通機関での接触もなし。もうかれこれ丸6年石川に住んでるのですが、今まで回ってなかったところがとても多かった。北陸の歴史を辿るよい機会になりました。

あと、多くのイベントがオンラインになったのは、地方在住民的にはありがたいです。また、主催側としてもclusterやZoomを使って何度かイベントを開催し、感触がわかってきました。3月には、金沢工大で開催予定だった情報処理学会全国大会がオンライン開催となり、企画セッション「先生!質問です」をclusterでやりました。これでclusterでのイベント開催ノウハウがつかめました。

CoSTEP

今年度、北海道大学 科学技術コミュニケーター養成プログラム (CoSTEP) を受講してます。今年度は上述の通り時間的余裕が大きかったので、今年度受講したのはとても良いタイミングだったなと思います。新たに学ぶことがとても多くて、想像以上に楽しいです。学費は、私が受講している選科は年間たったの3万円で、得られるメリットと照らし合わせると実質無料に感じます。興味ある方は、ぜひ来年度以降の受講を検討してみてください!

これもblog記事をいくつか書いてるので、詳細はそちらをご覧ください。

SpaceApps

昨年は、例年通りの10月の開催の他、5月にSpaceApps COVID-19 Challengeというのがありました。両方完全オンラインです。COVID-19 Challengeは会場という概念がなく全世界でひとつのコンテストで、Local Lead(居住地域の参加者をサポートする役割)を務め、 10月の方はオンライン開催だったので久しぶり(5年ぶり)にSpace Apps Tokyoのオーガナイザを務めました。オンライン開催は、会場準備が不要なので物理開催よりも総じて楽にはなるのですが、年に2度開催はなかなか大変でしたね。特にCOVID-19 Challengeの方で、日本独自の企画を頑張りすぎたので、もし今年もCOVID-19 Challengeがあったらコミット量は少し下げます。宙畑さんで開催レポート記事を書いたので、ぜひ見てください。

その他

大きなイベントとしては、2月にマドリッドに行ってテレビ番組El Hormiguero 3.0に出演しました。今思うと超ギリギリのタイミングで、あと少し遅かったら行けなかった。年の後半には現地開催イベントも増えてきて、Maker Faireも1月にMaker Faire Bangkok出展とSendai Micro Maker Faire見学、2月にTsukuba Mini Maker Faire出展、12月にOgaki Mini Maker Faire見学と、例年以上にたくさん参加できました。

あと、5月にclusterで博士号取得記念パーティをclusterでやりました。これ、パーティやりたいとは考えてて、やるなら金沢でと思ってたのですが来れない人も多いだろうしどうしようかと思ってたところだったので、clusterでのオンライン開催にしたのは多くの人に参加してもらえてよかったです。ご参加ありがとうございました。

NT札幌も年末の12/26にclusterでオンライン開催しました。ご参加ありがとうございました。

2020年まとめ

例年このまとめ作る時に「今年いろいろあったなあ」と思うのですが、2020年はいつもの年よりは振り返る出来事が少なかったなと思います。とはいえこうやって書き出してみるとなんだかんだでいろいろとあったのですが。

時間ができたら作品作りをしたいとずっと思ってたんですが、目標となるイベントも無かったせいかあまりモチベーションが湧かず、ほとんど何もつくりませんでした。プロジェクションマッピングキーボードをJavaScriptからUnityに移植したくらい。あとはclusterのワールド作ったりアバター作ったりもしたか。研究でももうちょっとアウトプットを出したかったのですが、研究費申請とかを優先してて実働はあまり進められず。本を読む時間はまあまあ取れて、ずっと積んでた銃・病原菌・鉄やサピエンス全史も読破できたし。総じて、アウトプットよりもインプットが多かった一年だった気がします。

生活の変化の原因が感染症というセンシティブなものなのであまり軽々しく言うのも憚れるのですが、自分に限った範囲では、非常に満足度が高い1年でした。ちょうどよい充電期間になりました。1年前くらいは毎日のように「無職になりたい」と言ってましたが、時間の余裕が欲しかったのだと思います。いまは無職になりたい気持ちはだいぶ薄れてきました、いま無職になっても海外とかにあまり自由に行けないというのもありますが。

さて、石川での生活とNICT在籍が7年目に突入しました。そして、以前から言っていた通り、今年度はNICT有期研究員の最終年度です。任期延長?転職?はたまた無職!?一体私、これからどうなっちゃうの〜😭😭!?!?!?ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、研究を続けられるんだから!次回『ポスドク任期切れ』デュエルスタンバイ!*1

*1:念の為補足しておくと、来年度のことは既に確定していますので、心配無用です