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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

2019年の振り返りと2020年に向けて

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あけましておめでとうございます!今年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年は、博士論文を提出して9月に博士号を授与されたことが一番大きいんですが、それは別のブログエントリとして書いているので(本当は公開済のはずだったのですが間に合わなかったのでこの連休に書いて公開します!)、それ以外のことについてまとめました。なんか成果報告みたいになりましたが、とにかくすごく忙しかった気がします。。。

研究

研究員なので、研究のお仕事をしています。(研究員なのに研究できる時間がだいぶ減っているのですが・・・)

名大 廣井先生らとの共同研究として「ARIA: シミュレーション・エミュレーション連携基盤を利用したインタラクティブな都市型水害の被害予測システム」をDICOMOとUbiCompでデモ発表した他、Interop Tokyo、NICTオープンハウス、Digital Thailand Big Bang、G空間EXPOで展示を行いました。

しかし、一昨年末に投稿してたジャーナルは条件付採録を頂いたので頑張って修正したのですが不採録になりました。ぴえん🥺

IEEE IGARSSに主著1本、共著2本出して発表したのと、IEEE ICHMSに主著1本投稿中です。昨年はPerCom行けなかったのですが、UbiCompとCHIに行けたのでまあヨシ。

それから、研究成果をアカデミックじゃない場所で発表することを個人的なテーマに勝手に掲げていて、FOSS4G Hokkaidoで前述のARIAについて発表したのと、Builderscon Tokyoで「20年後のソフトウェアテストの話をしよう」という話をしました。Buildersconでは会場が満員になるほどの方に聞いて聞いていただき、後日記事にもしていただきました。

また、仕事じゃない研究もあり、グラスゴーで開催されたCHI2019の併催シンポジウムのAsian CHI Symposiumで2件の発表を行い、Augmented TypingでBest Demo Awards受賞しました。JAISTでの副テーマとして明治大学FMS 中村 聡史先生と実施した研究でした。

仕事

研究以外の仕事で大きなものとして、NICT SpaceHackというNICT宇宙データを使ったハッカソンを2月に開催しました。企画立ち上げから全部ボトムアップでやり、部署横断でやるという、NICTではあまりないプロジェクトで、いろいろと勉強になりました。当日の様子は宙畑さんに取材していただき、記事にまとめていただきました。本当にありがとうございます!

そして、SpaceHackの開催報告をJpGU(日本地球惑星科学連合大会)でポスター発表しました。12年ぶりのJpGU参加!

そしてそして、ハッカソンを開催したという実績から、オープンサイエンス関連の活動にもやや強引につなぎ、JOSSで伴野さん、渡邊 恵太さん、加藤さんと「非アカデミア駆動型研究の潮流と可能性」セッションを開催しました。

JOSSきっかけでサイエンスリポートに堀井さんとのインタビュー記事も掲載して頂きました。

学会仕事

昨年度に引き続き、情報処理学会 会誌編集委員をやっています。昨年の大きな働きとしては、技術書典7に出展しました。学会誌としてたぶん初めて。次回技術書典8も2日目の3/1(日)に出展します!!

今年度から、情報処理学会MBL(モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム)研究会の委員も務めており、その絡みで、DICOMO2020のプログラム委員とMBL主催の国際会議ICMU2020のDemo & Poster Chairも務めてます。PUWM勉強会というオンライン勉強会も(以前あったものを名称変えただけですが)立ち上げました。

若手研究者らしく、この辺の仕事もだいぶ増えてきました。いままでお世話になっていた分をしっかり返したいなと思います。

その他活動

SpaceApps Sapporo

SpaceAppsはここ数年は直接運営に関わってなくて全国の会場を見て回るだけでしたが、昨年はSpaceApps Sapporoの立ち上げとファシリテータをやりました。NoMaps内のイベントとして開催できて、とても良かったです。

NT札幌

昨年初開催でしたが、出展者が約30組とちょうどよく、来場者も多く、NHKさんに取材もしていただいて番組として放送していただき、いろいろな面でうまくできたかなと思います。今年もやるぞ!

その他

ここ数年間博士論文を最優先にしてきたので、その反動で上記イベント開催に加えてインド・グルガオンに行ったりMaker Faire Shenzhenに行ったりと3ヶ月にいろいろ詰め込んだので、その結果、余計忙しくなった(自業自得)。今年も早速 Maker Faire BangkokSendai Micro Maker Faire、Tsukuba Mini Maker Faireに行きます〜。

これからのこと(長期的な話)

よく聞かれるのですが、博士を取った後のことは博士を取ってから考えることにしてたので、博士を取ったいま絶賛考え中です。現在も引き続きNICTの研究員として勤めており、この後のことは何も決まってないのですが、客観的事実として、現ポストの任期は2021年3月までです。

今後もユビキタスコンピューティングに軸足を置いて研究を進めていくつもりではいるのですが、博士から分野を変えたので業績の積み重ねが乏しい上にビッグラボ出身でも在籍でもないので、王道で戦っていくのは結構厳しいと考えていて、無駄にいろんなものに手を出してきたバックグラウンドを生かせるような「ユビキタスコンピューティングとリモートセンシングの合わせ技的な研究」「ユビキタスコンピューティングをベースとした計算社会科学」あたりを進めていければと漠然と考えてます。具体的にはまだ何もないのですが。

あとは、研究のメタ的なところ(論文、査読、オープンサイエンス等)にすごく興味があり、いままでやってきた活動も鑑みるとオープンサイエンス関連を研究としてやっていきたいという気持ちもあります。ただ、当面はそれ専業になるつもりはあまりなくて、専門分野におけるシチズンサイエンスの実例をつくりながらライフワークとして細く長くやっていきたいという気持ちです。

2020年

これからのことが上述の通り決まってないので、今年はまずはこれからのことを考えるところからかな。あれこれ考えて決断する年になりそうです。無理に急いで決めなくてもいいのかもしれないけど、とりあえず任期が切れるので次の職は探さねば。できれば札幌で働きたいのですが、どこかにポストできないかな。

いろいろと新しいこともやりたいのだけれど、いろいろ手を出してると時間がなくなってしまうので、まずは手を出さずにグッと堪えて本当に自分がやりたいことをやる時間を確保できればと思っています。

30代後半ということで、年々体力回復に必要な睡眠時間が増え、活動できる時間がどんどん減ってきました。これが加齢か。。。体力の衰えは、運動することで多少カバーできるかもしれないのでちゃんとやります。夕方になると毛様体筋が疲れてディスプレイが見づらくなるの(いわゆる老眼)は、もうどうしようもないかな。。。