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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

ソフトウェア開発についてはあまり勉強してないけど就職してから4年間でやったこと


いいですね。とても素晴らしい記事で、書籍リストも参考になりました。
というわけで、乗っかってやってみよう。

1年目(2008/04〜2009/03)

メーカーに入社して研究所に配属。入社前までは、数値計算でしかプログラミングをしてこなかった(言語は Fortran!)ので、いろいろわからないことだらけだったが、この部署では「CCNA を取得すること」が新人に課せられていたので、とにかくまずここから始めた。この分厚い教科書を本当に毎日持ち運んでた。なぜネットワークスペシャリスト等の IPA の試験じゃなくて、CCNA だったのかというと、自分で好きな時にテストセンターでPCで受験する形なので、らしい。Cisco コマンドが役に立ったかどうかはともかく、ネットワークの基礎を学ぶことができたのでよかった。

シスコ技術者認定公式ガイド CCENT/CCNA 【ICND1】編(試験番号640-822J)

シスコ技術者認定公式ガイド CCENT/CCNA 【ICND1】編(試験番号640-822J)


シスコ技術者認定公式ガイド CCNA【ICND2】編(試験番号640-816J/640-802J)

シスコ技術者認定公式ガイド CCNA【ICND2】編(試験番号640-816J/640-802J)



あとは、これも新人教育の一貫で TCP/IP Illustrated とパタヘネ上・下を新人で輪読した。

詳解TCP/IP〈Vol.1〉プロトコル

詳解TCP/IP〈Vol.1〉プロトコル

  • 作者: W.リチャードスティーヴンス,W.Richard Stevens,橘康雄,井上尚司
  • 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 単行本
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コンピュータの構成と設計 第4版(上) ハードウエアとソフトウエアのインタフェース (Computer Organization and Design: The Hardware/Software Interface, Fourth Edition)

コンピュータの構成と設計 第4版(上) ハードウエアとソフトウエアのインタフェース (Computer Organization and Design: The Hardware/Software Interface, Fourth Edition)


コンピュータの構成と設計 第4版(下) ハードウエアとソフトウエアのインタフェース (Computer Organization and Design: The Hardware/Software Interface, Fourth Edition)

コンピュータの構成と設計 第4版(下) ハードウエアとソフトウエアのインタフェース (Computer Organization and Design: The Hardware/Software Interface, Fourth Edition)


部署内研修で組み込みソフトウェアの講習をしていただいたのだが、組込み以前に C を触るのがほぼ初めてという状態で苦労し、おすすめされた定番書を読んでみたり。

プログラミング作法

プログラミング作法


振り返ってみると、この時期にきっちり基礎から学ぶ機会が与えられていて、これが今の土台になっているわけですね。ありがとうございます。

2年目(2009/04〜2010/03)

特許提案で悩んでるときに、先輩にスウェーデン式アイディアブックを薦められて、読んだ。これは「アイディアとはどういうことか」という超基本的な部分がしっかりわかりやすく書かれている。例えば、「アイディアは必ず既存のアイディアの組み合わせでできている」*1。これを早い時期に読むことができたのはとても良かったと思う。

スウェーデン式 アイデア・ブック

スウェーデン式 アイデア・ブック


2年目の終わりに、2年間の成果を発表することになっていたので、わかりやすいプレゼンをするためにいろいろ調べた。もともとプレゼン手法に興味があったのだけれど、当時出たばかりで話題になってた「プレゼンテーションZEN」は、自分が思い描いていた理想のプレゼンの方向性と合致していて、感動した。技術的成果の発表にこの手法をそのまま取り入れられるわけではないが、わかりやすく伝える手法の参考になる。

プレゼンテーションzen

プレゼンテーションzen

  • 作者: Garr Reynolds,ガー・レイノルズ,熊谷小百合
  • 出版社/メーカー: ピアソン桐原
  • 発売日: 2009/09/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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あとは、企業研究者として、どうなっていきたいのか、みたいなことも漠然と考えてたような気がする。

企業の研究者をめざす皆さんへ―Research That Matters

企業の研究者をめざす皆さんへ―Research That Matters


企業研究者のキャリア・パス―物づくりのリーダーへの道

企業研究者のキャリア・パス―物づくりのリーダーへの道


素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術 (PHP文庫)

素人のように考え、玄人として実行する―問題解決のメタ技術 (PHP文庫)


アラン・ケイ (Ascii books)

アラン・ケイ (Ascii books)

3年目(2010/04〜2011/03)

会社を辞めて博士に行こうか迷ったりしてた。結局、会社を辞めずに社会人学生やることに。

「博士号」の使い方

「博士号」の使い方


このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?

このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?


会社のこととかがだんだんわかってきたので、定番のビジネス書も読んだり。

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)


ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)


イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」


ここまで、いわゆる技術書はあまり読んで来なかった。持ってないこともなかったのだけど、リファレンス的に使うのみで、読み物として読む習慣は無かった。でも、「大規模サービス技術入門」をたまたま読んでみたらめちゃくちゃ面白かったので、これがきっかけで WEB+DB PRESS plus シリーズを中心に、技術書を読み物として読むように。


あと関係ないけど、たまたま目にした「夜は短し歩けよ乙女」を読んで、モリミーのファンになった。

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

4年目(2011/04〜2012/03)

転職活動してたので、いろんな情報収集してた。特によかったのが「任天堂」。何らかのサービスに携わってる人にはおすすめ。

任天堂 “驚き”を生む方程式

任天堂 “驚き”を生む方程式


転職してからは、どうやったらプロジェクトが上手く回るか、をいろいろ考えてた。97のことシリーズは、読みやすくて密度が濃くてとてもよかった。

プログラマが知るべき97のこと

プログラマが知るべき97のこと


ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと

ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと


プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと

プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと


アジャイルサムライはめちゃくちゃ分かりやすくて一気に読んだ。今、アジャイルサムライ読書会にも参加していて、ここでいろんな方と意見交換するのもとても有意義。

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−


個人的にも時間やタスクの管理をちゃんとやってもうちょっと上手く回したいと思って、GTD の本を読んだり。

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術


あと関係ないけど、阪急電車がめちゃくちゃ面白くて有川浩さんのファンになった。夏には阪急今津線に乗りに行った

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

5年目(2012/04〜)

最近は、デザインの本をいくつか読んでる。デザイン関係はもともと興味があったのだけれど、そこまで手を広げてる余裕はないかなー今後の楽しみに取っておこう、と思って手を出さないようにしてきた。でも、最近デザイン、UI、UX などについて考えることが多く、良い機会なのでいつ必要になってもいいように少しずつ勉強してみようかな、と思い、読み始めてみた。

ノンデザイナーズ・デザインブック [フルカラー新装増補版]

ノンデザイナーズ・デザインブック [フルカラー新装増補版]


論理的思考によるデザイン 造形工学の基本と実践

論理的思考によるデザイン 造形工学の基本と実践


今興味があるのは アジャイル開発、Redmine、Jenkins 等々なので、これからこの辺の本を読んでいく気がする。

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~

アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技法~


Redmineによるタスクマネジメント実践技法

Redmineによるタスクマネジメント実践技法


Jenkins実践入門 ?ビルド・テスト・デプロイを自動化する技術 (WEB+DB PRESS plus)

Jenkins実践入門 ?ビルド・テスト・デプロイを自動化する技術 (WEB+DB PRESS plus)


競技プログラミング面白そうなので、蟻本も読んでみたい。

プログラミングコンテストチャレンジブック [第2版] ?問題解決のアルゴリズム活用力とコーディングテクニックを鍛える?

プログラミングコンテストチャレンジブック [第2版] ?問題解決のアルゴリズム活用力とコーディングテクニックを鍛える?


あと、機械学習データマイニングも。。。やりたいことは無限。

まとめ

最初は研究所にいたこともあって、仕事内容が製品開発というよりはプロトタイピングが中心だったので、ソフトウェア開発よりもむしろビジネスの方に興味が向いてた。ソフトウェア開発に深く興味をもつ人もいれば、いろんなことに広く興味をもつ人もいて、いろんな人がいていいんじゃないでしょうか。自己肯定なだけですが。


何かに困ってる時は特定のテーマの本を何冊も集中的に読んでるし、そうじゃない時期はいろんな分野の本をバラバラと読んでるし、振り返ってみるとその傾向が明らかで面白かった。


最後に。こうやって簡単に振り返れたのはブクログのおかげ。ブクログ便利。

*1:特許提案の話では「それって組み合わせでしょ?」と問われることがあるが、特許性がないのは組み合わせだからではなく、その組み合わせに進歩性がないからなのだ