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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

いのちの輝き: #公立はこだて未来大学滞在記 6日目

ついに1週間の短期研究滞在最終日。

午前中は、つくったプログラムについてScrapboxにまとめたり、 今まで撮った写真を整理してGoogleフォトで共有したり、昨日書けなかったblogを書いたり。

午後は、私の作ったPupilのデータをOSCで転送するプログラムの使い方を角研の学生さんに伝授。その後、制作物の写真や動画を撮影。今後なにかに使うかもしれないし、後で再度環境構築して撮るの面倒でやらなくなりがちなので。

制作物は、アイトラッカーのデータを使って取得した目の向きを壁に投影するもの(Processingで作成)とM5Stackに表示するもの。M5Stackの方は、現在ちょうど作品募集中の M5Stack Creativity Contest 2022 に応募することに。

まとめ

1週間6日間だけの滞在でしたが、想定していたことがいろいろと実現できて非常に有意義でした。未来大にはUbiComp/HCI系の近い分野の先生が非常に多く、研究や研究室運営のいろんな話ができました。普段は学会の時ぐらいにしかできないのですが、特に最近は学会がオンラインになったのでそういう機会が激減していたので、毎日のように話せてよかったです。

Pupil Coreという30万円以上する機材を使わせてもらい、いままでほとんど考えていなかった視線の研究ネタについてもあれこれ考えるよい機会になりました。Pupil Coreはすぐには買えないですが、研究費に余裕があるときには購入してもよいかもなあ。

あとは、未来大の建物がどこもかっこいいので、滞在していてとても気持ちよかったです。開学が2000年なので、もう20年以上経っているのですが、コンクリートとガラス張りで古さを全く感じないデザインです。↑のプロジェクションのデモビデオも、ふつうに居室で撮ったのですが、いい感じで撮影できました。生協と食堂にも行ってみたかったのですが、お盆期間のため開いていないのが残念でした。

外付けのトラックボールとキーボードを用意しておいたことで、普段と遜色なく作業できてよかったです。あと、サンダルも持っていってよかったです。

1週間程度の短期滞在とは言え通常の出張よりは長いので、食生活には気をつけたほうがよさそうです。どうしても外食が多めになるので、消化のために体力を消耗します。週末に食べた天ぷらがけっこう量が多く(安くて美味しかったのですが)消化不良で翌日までやや調子が落ちてました。

滞在中は一日置きに朝ランをすることにしてました。五稜郭公園の近くのホテルに泊まっていたので、五稜郭公園を周回して、とても気持ちよかったです。出張先での朝ランはわりとよくやるのですがオススメです。今回は、最近しばらく走ってなかったのにいきなり走ったので、最初の方はけっこう体力を消耗してました。出張前にきちんと走って、体を慣らしておくのがよさそうです。

積み残しの締切間際の仕事も少しあり、滞在中に作業時間を確保する必要があり、その分の時間が少しもったいなかったです。積み残しの仕事がない状態で滞在するのがベストですが、そんなのは百も承知で、終わらせたかったのだけど終わらなかったのでまあ仕方ない。無理なものは無理なので、事前に仕事を積み残さないように尽力しつつ、積み残してしまった場合にはあまり気にせずに淡々と片付けましょう。

未来大にもまた行きたいし(道内なのできっと機会があるはず)、他の大学でも同じように短期滞在しに行きたいと思いました。角(@y_sumi)先生をはじめ、未来大の先生方には大変お世話になりました。ありがとうございました。

FAQ

  • Q. 旅費はどうしたのですか?
  • A. 普通の出張と同じ扱いで、私の研究費から捻出しました。講演(デモプレゼン)を行った分の謝金はいただきました。

視線を取り外す: #公立はこだて未来大学滞在記 5日目

午前中は情報大の夏期集中講義 オンデマンドに近い形式だけど、最初の1コマはガイダンスをオンラインで開催。

その後、昨日の続きで視線トラッカーPupil Coreのデータを使って、Processingで表示。昨日の段階でそれぞれ単体でできていたので、それらの結合を行う。ネットワークの設定などをしてきちんと動いた!

午後は、同じようにM5Stackを使って目線を表示するデバイスを開発。視線データをOSCで飛ばすようにしたので、OSCが受信できれば何でも表示できる。

私が学会関係などの細かい業務を片付けているときに、居室が近く研究分野も近い白石陽先生が研究雑談をしに部屋に来てくれました。

その間に、学生さんがM5Stack版を開発してくれた。とりあえずつくれるといいかなと思ってたところが動いてよかった。

作ったデモをもとにまた議論。デモができると議論が具体的になるのが良い。

さて、明日は最終日。つくったもののドキュメントなどを整理しつつ、物理的な片付けをする予定。

函館の空気を吸っても仕事は減らない: #公立はこだて未来大学滞在記 4日目

もう滞在の折り返し地点を過ぎて、4日目。

午前中は学会仕事(EC2022委員)に取り組むが、終わらず。

お昼ご飯は角先生とcafe enへ。未来大から唯一(?)徒歩で行ける飲食店。場所的にはJAISTのYuuYuu的な位置づけだけど、学生はあまり来ないっぽい。

午後は、アメリカから帰ってきたばかりの美馬のゆり先生にComputer Science Museumなどで買った本やおもちゃを見せていただいた。美馬 義亮先生とも少しだけお話した。2014年のMaker Faire BayAreaの前夜祭でお会いしたことがあって、たぶんそれ以来。

視線トラッカーPupil Coreを使ったアプリケーション開発を角研の学生さんと一緒にやることに。私はPupil Coreから受信したデータをOSCで送信する部分を担当。昨日はPythonのサンプルプログラムを動かしたので、今日はそれをnode.jsに移植しようと思っていたが、あまり時間もないので早く確実に動かせたほうがいいと思ったので、受信データをOSCで飛ばすようPythonのサンプルプログラムを改良する方針にする。学生さんにはOSCで受け取ったデータを使ったアプリケーションを開発してもらう。未来大では1年生でProcessingを習うそうなので、Processingを使って開発してもらうことに。

夕方までで、私の担当分はだいたい終わり、学生さんもダミーデータとしてマウス座標を使ったサンプルアプリを作っていたので、明日はそれらを結合する予定。

夜は、ラッキーピエロのチャイニーズチキンバーガー特上を食べた後、学会仕事の続き。毎年やっている業務なので作業内容も作業量も把握していたのだけど、想定外の作業が発生して、結局23:30までかかってしまった。

視線を取る: #公立はこだて未来大学滞在記 3日目

朝は大雨だったので、少し遅らせて10時すぎに出勤。

未来大の先生や学生の研究ネタと私の研究ネタを組み合わせて何か生まれないかなというのを元々画策してたのだけど、やはりなかなかそううまくはいかないので、角先生が持っているアイトラッカーPupil Coreを借りてアプリケーションを作ってみることに。30万円以上するのでなかなか気軽には買えないデバイスなので、この機会にいろいろ試してみる。昨日の夜にPupil Coreを使って何ができそうか一人ブレストをして10個くらいネタ出ししたのと、ちょっと調べてみたところリアルタイムデータ取得のAPIが公開されているようなので、いろんなアプリケーションが作れそう。リアルタイムでのデータ取得もできるのだけど、角研ではまだその機能は使っていないとのことだったので、ちょうどよい。

午前中は、Pupil Coreのデータ取得を兼ねてPupil Coreをつけたまま図書館を見学。午後からはPupil Coreの環境構築と、ZeroMQで提供されるAPIからのデータ取得を試す。Macで想定通り動かなかったり、サンプルプログラムに微妙な間違いがあったりして細かいつまずきはあったものの、概ねドキュメント通りに進めてすんなりAPIのデータ取得できた。サンプルプログラムはPythonだったのだけど、後々のことを考えてWebアプリケーションにできた方が良いので、node.jsでAPIを叩くプログラムを書こうと思うが、続きは明日。

夜は、積み残していた学会仕事をやる。結局まだ終わっていないので、このblogを書き終わってからホテルで作業して終わらせて、明日は心置きなく開発に集中したい。