今年も明治大学宮下研究室主催のABPro2014に参加し、Macのキーボードにプロジェクションマッピングするやつを発表しました。
ABProとは! 自作の「普通じゃないプログラム作品」を発表しあう会,それがABProです. 高度な技術や専門的な知識を用いるのも良いですが,我々が目指すのは, 人を驚かせ,笑わせ,幸せにするようなプログラムです.
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アプリケーションは、最近よく使っているopenFrameworks(C++)で実装しました。実行ファイルを公開しています。展開すると .app 形式になっているので、Macで開いてクリックするだけで使えます。プロジェクターとApple Keyboard(テンキー付き - JIS)があればそのままプロジェクションマッピングできます。
Dropbox - assertive_keyboard.zip
面白かった発表
どれも面白かったのですが、特に印象に残ったものを3つほど紹介します。
テトリス3Dモデラ
津田塾大 准教授の栗原( @qurihara )さんのテトリス3Dモデラ。テトリスのブロックを使って3Dモデリングするツール。そのまま3Dプリンタで出力するだけで、ペン立てやフックなどいろんな小物を作成できます。
プレゼンで栗原さんも「3Dプリンタ買ったけど何作ればいいかわかんない」と言っていたように、そういう人は結構いそうで、テトリスブロックを組み合わせるだけでモデリングできるこのツールは実用性高そうだなと思いました。
振り向き音ゲー
宮下研M1の金井くんの『顔の振り向き』を取り入れた音ゲー。ビートマニアのターンテーブルの代わりに、顔を振り向く動作をする必要がある音ゲー。これは面白かった。導入で「音ゲーマー=振り向きたい」という意味付けをしていたのがよかった。曲(タイプライター)も動作とすごく合っててよかった。
流しそうめんで音ゲー
明治大 玉木研B3の秋山( @gutugutu3030 )くんの、流しそうめんで音ゲー。そうめんをタイミングよく流す装置をつくったのが素晴らしい。流しそうめんシステムを研究室に(しかも宮下先生不在時に)組んだのも素晴らしい。2年前のABProで当時1年生の彼がARを使ったプレゼンシステムで発表しているのを見てとても衝撃を受けましたが、今日はまた別の衝撃を受けましたw
ネタ出し経緯
実はアイデアが思いついていない #ABPro pic.twitter.com/0O9ki0k7nT
— 3846masa (@3846masa) 2014, 9月 20
「アイデアが思いつかない」という話をちらほら聞いたので、キーボードプロジェクションマッピングのネタに至った経緯を振り返ってみます。
ABProネタは1年中考えているのですが、「プロジェクションマッピングやりたい!」と思い、Abnormal Projection Mapping(というネーミング)を思いついたのが、2014年1月27日でした(ABProに限らず思いついたネタはどんなささいなものでもEvernoteに全て書き溜めているので、ノートの日付を見ればわかります)。
「Abnormal」なプロジェクションマッピングってなんだろう、ということで以下の様なネタを1月からずーっと溜めていました。
- そうめんがそば、やきそば、ラーメンに見える
- メロンがスイカに見える
- とんこつラーメンが味噌ラーメン、醤油ラーメンに見える
- ミルクポッキーがふつうのポッキーに見える
- カツオがサザエに見える
- きのこの山がたけのこの里に見える
- バナナに斑点を投影して甘く見せる、やり過ぎると腐る
- 食べ物に近づくと青くなって食欲を減衰させる
など、いろいろ考えていたのですが、先月、ピアノにプロジェクションマッピングする動画
を見て、「カッコいい!こういうのやりたい!」と思いました。普段、演習発表などでFMS生にすごいものを見せつけられているので、ABProでは自分がFMS生にカッコいいものを見せつけたいという欲求もあったので、Abnormal度合いは減りつつもこの路線でいくことにしました。で、ピアノ以外に押して光ると面白いものということでPCのキーボードに。Macのキーボードにしたのは、自分が普段使いしているのと、キーが白いのと、そこそこ普及している(もしやりたい人がいたらソフトを渡すだけでできる)からです。
ピアノだと引くことによって音楽が奏でられるのでカッコいいのですが、キーボードでは音でのインタラクションを生み出すことが難しい(音ゲーみたいなことはできるけど、キーボードであることの意味付けがあまりない)。代わりに、音楽の歌詞を表示させて、その歌詞に該当するキーを光らせることを考えました。これもABProで見せる予定だったのですが、実装が間に合わず。実装は結構進んでいるので、またどこかで見せたいと思います。
ABProは、「アイデア思いついたら出よう」と思ってるよりも「毎年必ず出る」と決めてしまった方が強制力が働いてアイデアが出るのでよいのでは。しょうもないアイデアしかなくても、実装してみたら意外と面白かったり、実装しているうちに追加のアイデアがどんどん出てくることもあるし。
アイデアの発想力は、先天的な才能ではなくスキルなので、修行・経験をつめば身につくものです。修行しましょう。
- 作者: フレドリック・ヘレーン
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来年のABProも、何作ろうか考えてると今から楽しみです。宮下( @HomeiMiyashita )先生が「無限に時間のある学生と同じフィールドに立ったら勝てない。金で勝つ。」と言っていて、たしかにそのとおりなので、何か違うフィールドで勝負するようなネタにしようかなあ、などと考えています。