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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

「Chef*mo: 動画が調理器具を制御して調理を支援するシステムの提案」をEC46で発表しました

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2017/12/22(金)〜23(土)にグランフロント大阪で開催された情報処理学会 第46回エンタテインメントコンピューティング研究会で「Chef*mo: 動画が調理器具を制御して調理を支援するシステムの提案」を発表しました。

スライド

研究報告(論文):https://goo.gl/6oJHh4

デモ動画

概要

  • 料理動画に調理スクリプトを埋め込み、動画の内容に合わせて調理器具を制御して調理支援を行うシステムを提案
  • コンセプト実装を行った
    • 動画とIoT機器の連携フレームワークsrt.jsを用いた
    • 「かける」「混ぜる」「切る」の3種類の調理行動を実装した
  • 議論と課題をまとめた

いきさつ

本研究は、2017/06/19にMashup Awardsのイベントとして開催されたsrt.jsハッカソンで生まれたものです。

論文にも謝辞として掲載しました。 f:id:yumu19:20171225001312p:plain

イデアを形にしてみると、これは研究ネタとしてもいけるんじゃないかということで、論文化しました。いま、大きなテーマとして情報と物理空間と人間のインタラクションに興味を持っていて、その枠にも入るような内容だと思ったので。テーマ的に料理系はいままでやったことのない完全に新しい分野の研究だったのですが、さらに、メタ研究的にも以下のような新たなチャレンジがありました。

  • 本業外でのプライベートプロジェクト
  • コンセプト重視での研究進行

本業外でのプライベートプロジェクト

今回は、組織の仕事とは無関係のプライベートプロジェクトとして取り組んでます。内容としては広義にはスマートホームの研究なので、仕事と絡められないこともないとは思ったのですが、せっかくなので、完全にプライベートの研究として取り組んでみました。ニコニコ学会βで打ち出していた「野生の研究」の一例になればいいかな、という思いです。(まあ、この辺は若干後付けではありますが)

コンセプト重視での研究進行

そして、実装はしたものの簡単なコンセプト実装にとどまっていて、評価は行ってません。代わりに、サーベイに基づく本研究の位置付けと、コンセプト実装によって得られた知見に対する議論に注力して書きました。ここまでしっかりと研究の位置づけを整理して書いたのは初めてだったので、結構苦労しましたが、この経験は今後の論文執筆に活かせそうな気がします。また、料理研究の取り組んだのは初だったのでサーベイはだいぶ網羅的に調べたのですが、サーベイしていると結構いろんな人達が過去に料理に関する研究に取り組んでることがわかり、「HCI研究者が一度は通る道」という感じがしました。