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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

はてなブックマークの「マイホットエントリー」がすごいという話


マイホットエントリー

はてなブックマークの「マイホットエントリー」がすごい。
http://b.hatena.ne.jp/#tabmenu-myhotentry

SNS(Twitter, Facebook, はてな)でフォローしてる人がたくさん流してる情報を提示してくれる。
それだけ*1。それだけなんだけど、すごい。超便利。ひとことで言うと
 口を開けて立っているだけで情報が次々と飛び込んできておいしいです(^q^)

という感覚。
いままで、マイ3大情報源が

だったのだが、マイホットエントリーはこの3つが集約された感ある。実際、Google Reader とふつうのホットエントリー見る回数は減ってる(ゼロじゃないけど)。

類似サービス

ソーシャルグラフから記事推薦するサービスは他にもある。例えば、いま話題の gunosy。


実は gunosy も、半年前くらいから登録してる。なかなか便利で、記事推薦の適切さはマイホットエントリーと変わらないと思うのだが、マイホットエントリーに比べるとなんか物足りない。
マイホットエントリーと gunosy は何が違うのか。

  • 誰が注目しているかがわかる

わかったからどうなんだ、と言われればそれまでかもしれないが、この記事を薦められた理由がわからないのはものすごくもやもやする。マイホットエントリーだと、アイコンが並んでいるので、誰が(どの辺の人が)この記事に注目してるのかが一目瞭然。
まあ、そういう情報なしに先入観なく読みたいという人もいるだろうし、どちらが良いかは好みが分かれるかもしれない。自分は、本を読む時にも、まず最初に著者略歴を読むタイプ。どういう背景で書いたかわからないと気持ち悪いので。

ブクマ数が多いかどうかで、たくさんの人が注目してるのか、特定のコミュニティだけなのかがわかる。1000超えの記事はとりあえず読んでおかないと、という気になる。
(そもそも「はてブユーザ」という時点で偏りがある、というのは置いといて。)

  • 他の人がどういう反応をしているのかがわかる

皆が記事のどこに注目しているのか、がわかる。良記事でも注目するポイントが人によって違ったりするので面白い。 あるいは、良記事ではなく炎上してるから注目されてるのか。自分の場合、結局はブコメ(はてなブックマークコメント)を読むことにはなるのだが。

情報収集の変遷

インターネット黎明期は、サイトを手動巡回したり、巡回ツールをつかったり。

そのうち RSS が普及して RSS リーダをウォッチするだけですむように。
twitter, Facebook で、身近な(興味の近い)人達からの情報が流れてくるようになった。
そして、このマイホットエントリーで、それらを選別して、口を開けてるだけで情報が入ってくるようになった、と。


先日、

というエントリの中で

問題の解に辿り着く早さを向上させるということは、良い知識体系 (中略) を構築することだと思う。

と書いた。知識とは情報の収集で、情報収集網をどう作るかが、知識体系の構築なのではないか*2RSSリーダの登録フィードやSNSのフォローリストこそ、ここまで少しずつ積み重ねて形成した知識体系で、その人が築き上げた財産なはず。そして、そのリストというのは、どういうコンテキストで形成されたかが重要で、コピペして他の人が使ってもあまり意味ない。


佐々木俊尚氏(@)は、著書 キュレーションの時代 の中で、

コンテンツが王だった時代は終わった。いまやキュレーションが王だ

と言っていたが、じゃあそのキュレータを誰が担うのか。佐々木氏のような一部の少数者だけがキュレータになるのではなく、SNS でフォローしてる自分の身近な人・興味の近い人 (+キュレーションアルゴリズム) がキュレータになるんじゃないだろうか。マイホットエントリーは、そんな未来を見せてくれているような気がする。

おわりに

  • マイホットエントリーすごい。これからずっとお世話になります。
  • それぞれの話をうまく絡めて書きたかったのだが、あまり上手くまとめられなかった。


 

*1:それだけじゃないでしょうが。アルゴリズムとかいろいろがんばっているはず。

*2:ちょっと強引