ニコニコ超会議 の中で開催された 第2回ニコニコ学会βシンポジウム のポスターセッションで発表してきました。
ニコ生タイムシフト(たぶんずっと見れます)
togetter
発表まで
発表していた多くの人は、ネタがあったので発表するという流れかと思いますが。自分の場合、「ニコニコ学会で発表したかったからネタをつくった」というのが本当のところです。で、何つくろうか考えたところ、当時 Felica をちょっと触っていたこともあって、「頭に Suica を貼り、枕に Felica リーダを仕込んで、寝返りセンサを作ろう!」としました。で、試しにちょっとやってみたところ。
この仕組みは無理!!
Felica で読み取らせるには、位置をピッタリ合わせなければいけなくて、とてもじゃないけどログなんて取れない。と同時に、「シリコンキーボード使えばいいんじゃね?」ということにごく自然に気づく。
翌日、秋葉原を歩きまわり、シリコンキーボードを探し回る。どこにでもあるかと思いきや、全然置いてない。。。諦めかけたその時、石丸電気の路面販売で投げ売りされてたシリコンキーボードを発見。しかも \980!安い!残り2つだったので、2つ買い占めて来ちゃいました。それから帰宅して、JavaScript でキーボードのキーの左右方向の物理位置をマッピングしてグラフに描画するスクリプト書いて、寝てる様子を動画に撮って、動画編集して、ニコニコ動画にうp。研究してみたマッドネス(口頭発表の方)に応募するのは気が引けたので、ポスターセッションに出すことにして、無事ニコニコ学会に申し込み。
申し込みから発表当日まで1ヶ月あるから、いろいろ手を加えられるだろ〜と思っていたら、 Space Apps Challenge というこれまた面白そうなイベントをみつけて参加することになり、その準備と本番に追われる。結局、ニコニコ学会の準備がほとんどできずに申込時のまんま出すことに。やったことといえば、発表前日に東急ハンズで頭部マネキン(\1280)を買ってきたことくらいでしょうか。
ちなみに、今自分が働いてる Koozyt は、第一回に引き続きニコニコ学会のスポンサー(今回から年間スポンサーという形)なのですが、自分の発表とスポンサーとは全く関係ないです。というか、スポンサー契約するのが学会直前だったので、発表申し込みの方が全然先です。
発表
デモを見てもらってなんぼ、だと思ったので、ポスターはこんな感じにシンプルにし、
本番環境さながらのデモを構築しました。
マネキンがなければイミフだったと思うので、ハンズで買ってきてよかったです。頭が軽すぎて、手で少し押してあげないとキーボードが押ささらないのがちょっと残念。ポスターの横に立って説明したり、ポスターから少し離れたところから反応をこっそり眺めてたり、他のも見たかったのでポスター放置して旅に出たりしてました。
FAQ
- Q. キーボードは市販品?
- A. 市販品です。どこでも買えます、と言いつつ、確保するために秋葉原探しまわったのですが。*1
- Q. USBなの?
- A. USB です。本当は Bluetooth にして、スマホとかで使えるといいんですけどね。でも BT のシリコンキーボードって小さいやつばかりで、枕サイズのものを見つけられてないです。
- Q. 寝心地は?
- A. シリコンなので硬さは全然大丈夫。摩擦が気になるなら枕カバーにいれればおk。
- Q. 仕事としてつくった?
- A. いえいえ、完全にプライベートです。
- Q. 今後どうしたいの?
- A. 実はまだ一晩稼働できる耐久性を持ってない(OSやブラウザのショートカットキーを押してしまうと止まってしまう)ので、若干やるやる詐欺なので、ショートカット殺すように処理しなければ。Mac 使うなら KeyRemap4MacBook を設定すればイケる気がしてます。で、ログ取れたら解析して寝返り判定。安定稼働できたらwebサービスとしてデプロイ、等々。。。
感想
正直この程度の完成度のモノを本当に出していいのかわからず、「ええいどうにでもな〜れ」という気持ちだったのですが、多くの人に「この発想はなかった」と言っていただけて本当に嬉しかったです。
そして、ニコニコ学会のポスターセッションでは「もっと評価されるべき」「才能の無駄遣い」等のタグ(ふせん)が聴講者によって貼られるのですが、2日間でこんなにたくさん貼って頂きました。ありがとうございます!!
twitter でもコメントいただいて、ありがとうございますありがとうございます。
今回のニコニコ学会の俺的ベストペーパー。寝返り検出器(普通に買うと30000円くらい)をフレキシブルキーボードで作った。 URL
これは素晴らしかった RT @michisato: 今回のニコニコ学会の俺的ベストペーパー。寝返り検出器(普通に買うと30000円くらい)をフレキシブルキーボードで作った。 URL
2012-04-30 13:12:54 via web
他の発表
もちろん聴講者としてもニコニコ学会楽しみました。
第2回研究100連発。現地で聞けなかったのでタイムシフトで視聴したのですが、前回同様すごい。テンション上がります。
@ochyai さんの Colloidal Display。以前実際にデモを見せて頂いたこともあるんですが、何度聞いてもため息が出るほど発想も実現力もすごい。
@Furuyoshikun さんの Ubi-Camera 。 WBSのトレたま等テレビでも取り上げられているので、知っている方も多いかと思います。その発表の中 で「秋葉原でふつうに買えるパーツだけでできてる」「そういうものでも、大きな反響をいただけた」「思いついたアイディアを実際につくってみるのは大事なこと」と仰られていたのがとても励みになって、なんか自分の発表と重なるようで勝手にしみじみとしてました。
ポスターでは、 sonoka_gi さんの 「ARToolKitで、ちょっとだけ未来を想像してみた」
2009年投稿の動画なのですがニコニコ学会の発表一覧に載ってたのを見て初めて知って、めちゃくちゃカッコイイ!!と感動しました。実物のデモ見れて、お話もできて満足。AR はこういう風に使っていかなきゃなぁといろいろ考えさせられました。
アミッドP (@AOKI_KC) さんのアミッドスクリーン。実物初めてみましたが、これもすごい!「既存の材料使って安価に構築」というところに、親近感がわきました。
それから、他の方も言及していますが、ふせんによるタグ付けシステムはかなり良い。あれは他の学会でも導入すべきだと思います。ニコニコ学会だったので「才能の無駄遣い」「その発想はなかった」「もっと評価されるべき」という感じのタグでOKなのですが、他の学会になると「良い着眼点」「鋭い考察」みたいになるのでしょうか。楽しさ半減?そこが難しいところでしょうか。でも、ミクさんを表紙にした情処ならやってくれそう。
ニコニコ超会議
今回のニコニコ学会は、ニコニコ超会議という大イベントの中の一企画という位置づけだったのですが、超会議もカオスすぎて楽しかった。歩いてる人はみんなふつうにネコ耳してるし、迷彩服の人はコスプレじゃなくてガチ自衛隊の人だし、学会の隣の「超踊ってみた」ではすごい人数が楽しそうに踊ってるし、研究100連発中に「演奏してみた」ブースから情熱大陸の演奏が聞こえてくるし、突然時報鳴るし、アルパカいるし、もう何がなんだか。レイヤーさんがニコニコ学会のポスターを見に来るのは、超会議ならでは。
@koeri さんのエントリが写真たくさんあって楽しさ伝わってきました。
まとめ
普段ふつうに生活しているだけでもいろんなことをあれこれ考えると思うんですが、ニコニコ学会ではそれをさらにかき回されるような感覚で、本当に本当に楽しかったです。運営の皆様ありがとうございます。次回は 12/24 にニコファーレ×京大(仮)だそうで、楽しみです!
*1:学会終了後、ニトリで売ってるのを見つけたので、安定調達が期待できます http://www.nitori-net.jp/shop/goods/goods.aspx?goods=8730973