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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

社会人博士って何やってるの?

結構よく聞かれるのですが、確かに傍から見ると何やってるかわかりにくいのかもしれませんね。基本的には「普通の博士課程と同じ」です。しかし当然昼間は働いているわけなので異なる部分も多々あり、その辺をうまく説明できなかったりします。なので、ちょっとまとめて書いてみることにしてみました。


「普通の博士課程」に馴染みがない方はとりあえずこの辺を読んで勉強して頂くとして


以下、私の場合についてQ&A方式で答えます。人によって、大学によってスタイルは様々でしょうが、ひとつの例としてご参考まで。

  • Q. 何やれば卒業?
    • A. D論を書けば卒業です。D論を書くためには学会誌に論文を数本投稿している必要があったりします。当然、論文に書くための研究成果が必要です。
  • Q. 何年で卒業?
    • A. 博士後期課程は基本は3年間です。しかし「D論を書いたら卒業」なので、逆に、D論を書かなければいつまで経っても出られません。この辺は普通の博士課程も同じ。分野や大学によっては3年で出るほうが珍しいところもあります。
  • Q. 普段なにしてるの?
    • A. 研究成果を出すために、論文を読んだり、シミュレーションを走らせたりして、日々がんばっています(というのが理想の姿)。
  • Q. いつ研究してるの?
    • A. 平日の就業後と休日です。
  • Q. 授業受けてるの?
    • A. はい、授業は受けてます。が、博士課程で授業受けて単位取得するというのは、誤解を恐れずに言えば「おまけ」みたいなものです。あくまで研究してD論書くことがメインです。私の場合、必要な単位は10単位ですので、D1の半期で大抵取り終わります。それから、授業を土日に開催してくれているというのは社会人コースの大きな特徴ですね。
  • Q. 大学って北陸にあるよね?
    • A. はい。私の通っている北陸先端科学技術大学院大学は石川県能美市にあります。しかし、東京キャンパスというものが品川にあり、社会人コースの学生は皆東京キャンパス所属になります。授業も東京キャンパスで受けます。
  • Q. 東京キャンパスに研究室があるの?
    • A. いいえ。東京キャンパスは普通のオフィスビルの一角にあり、講義室の他にテレコン部屋やプリンタや図書館やPCがあるだけです。指導教員との打ち合わせを東京キャンパスで行ったりはしますが、研究は家でやります。
  • Q. 指導教員との打ち合わせは?
    • A. 私の指導教員はほぼ毎週東京に来ているような方なので、東京で掴まえる分にはさほど問題ありません。いざとなればテレコンでもミーティングできます(使ったことないですが)。
  • Q. 石川にはよく行く?
    • A. 今のところ、訪問は先日の夏ゼミ合宿の際の1回だけです。今後の研究テーマによっては実験設備を利用しにいくかもしれません。あとは無事D論のほげほげ審査なところまで進んだ暁には足繁くの通うかもしれません。
  • Q. 会社から派遣されて入学したの?
    • A. 私の場合は、完全に会社とは無関係で、自分の意志で入学しました。プライベートな時間(就業後、休日)を使って大学院の研究活動を行っています。
  • Q. 会社から補助とかある?
    • A. ありません。
  • Q. で、いつD取れるの?
    • A. 「3年で取る」という当初の志は一応保ってはいるものの、現実的にはかなりきびs おっとこんな時間に誰か来たようだ