応募してた北海道大学 科学技術コミュニケーター養成プログラム (CoSTEP) 合格したので今年度1年間受講します。選科Bです。
CoSTEP is 何?
科学技術コミュニケーター養成プログラム (CoSTEP) というのは、名前の通り、科学技術コミュニケーターを養成するプログラムです。。まだ受講していないので詳細は把握していませんが、科学技術コミュニケーションに関する概論や方法論を学びます。例えば、サイエンスカフェのようなイベントの企画や、サイエンスライティングについてです。北大関係者だけではなく、誰でも応募することができます。北大が正式に主催するコースですが、学位が授与されるわけではありません。詳細はこのリンクを見るとわかりやすいです。
修了生には元RAGFAIRの奥村さんとかもいます。
CoSTEPには本科と専科の2種類のコースがあります。 本科: 講義+演習+実習 選科: 講義 + 集中演習 私が受講するのは専科の方です。選科は集中演習以外はすべてe-Learningで受講することができ、遠隔で進められます。北大で受講してもよいので、都合が合う時は行こうかなと思ってたんですけど、そもそもこういう状況(COVID-19)になってしまったので、少なくともしばらくは行けなさそうです。
CoSTEPができたのが2005年で、当時北大の4年生で面白そうだったので申し込んだのだけど落ちて(当時は大卒以上が対象だった)、それ以来気になってて博士課程終わったら受講したいと思ってて、昨年度でようやく博士論文が終わったので、今回15年ぶりに申し込んだのでした。
選科では90分の講義が週に1回あり、そのレポートを提出します。e-Learningなので、まとめて受講することも可能です。博士論文が終わったとはいえ研究やその他の活動との兼ね合いで時間取れるかどうか心配だったのですが、説明会で受講やレポートのボリュームを聞いて、それほど無理なく受講できそうな気がしました。さらに今年の場合、出張やイベントがしばらく中止になったことで時間がとりやすくなりました。本科の方はもっと忙しいのですが、編集やデザインなどの演習があるのは本科だけなので、いずれは本科も受講したいなと思ってます。
応募した理由
応募書類に「志望理由書」と「課題文」があり、それを見てもらうのが早いと思うので、貼ります。それほど長い文章ではないので、書きたいことを書ききれていない面はあるのですが、それでも、普段漠然と考えていることを他の人に伝わるように一度まとめるよい機会になりました。
志望理由書
北海道大学科学技術コミュニケーター養成プログラムで学びたい理由、学びたいこと、また、修了後学んだことをどう活かそうと考えているかを整理し、以下に記してください。(500字以内)
私は、グラフィックデザイン、映像、文章、プレゼンテーションなどの「見せ方」に関するスキルを学びたいと考えています。これには二つの理由があります。
一つは、本職である情報科学の研究へ活用するためです。研究活動では、研究成果発表はもちろんのこと、研究費獲得など様々な場面でプレゼンテーションを行うことが多く、そのスキルは非常に重要です。また、現在専門にしている無線ネットワークは、身近であるものの目に見えないため、特に一般向けの展示会などでの解説に苦労します。背景知識が無い方へもわかりやすく解説するための表現方法を身に付けたいと考えています。
もう一つは、イベント運営へ活用するためです。本業とは別に、NASAの宇宙データを使うハッカソンや、ものづくり展示イベントなどの運営を有志として行っています。イベントでは、内容が大事なのはもちろんのこと、「知ってもらう」「興味を持ってもらう」ことができないと、そもそも参加してもらえません。開催するイベントにより多くの方に参加してもらうためには、広報文章やフライヤーなどの広告素材が重要となるため、これらの作成スキルを高め、より良い情報発信をしたいと考えています。
課題文
科学技術コミュニケーションに関わる問題を1つとりあげ、解決へ向けて今後自分がどんな役割を果たしたいかを述べてください。(800字以内)
私は、非職業研究者が科学技術についての発表や議論をする場がないことを問題と考え、これを解決するような場をつくりたいと考えています。
大学や研究所に所属する職業研究者は、学会で発表したり論文を投稿したりすることで科学技術について議論します。学会発表や論文投稿は、職業研究者だけではなく、非職業研究者も行うことはできますが、高額な参加費や投稿費が必要なことや、発表や執筆を行う労力の大きさなどから、非職業研究者にとって非常に障壁が高いです。サイエンスカフェのように一般市民が科学技術に触れる場も近年増えています。しかし、学んだ結果をまとめて発表したり意見を交換するような、学会に相当する場はあまりありません。
この問題の解決の糸口は、ソフトウェアエンジニアリングの世界の文化にあるのではないかと考えます。その特有の文化であるオープンソースソフトウェア(OSS)開発は、トップレベルの職業エンジニアも趣味プログラマも垣根がなく、ソースコードを書くことで誰でも開発に参加できます。また、もうひとつ特徴的な文化が勉強会です。勉強会の開催様式は様々ですが、例えば、調べたことや実装したことをプレゼンテーション形式で発表するという形態が取られます。OSS開発や勉強会でのつながりは、所属組織の垣根を超えたコミュニティとなっています。
このようなソフトウェアエンジニアリングの世界の文化を、自然科学などの他の科学技術分野へも拡張し、誰でも自由に発表し職業研究者と非職業研究者の垣根なく議論するような場をつくれないかと思案しています。私は昨年、電子工作やロボットなどの趣味として作った作品を見せあう展示イベントNT札幌2019を開催しました。NT札幌を拡張する形か、それとも別のイベントとしてかはわかりませんが、自然科学などに関しても、調べたり実験したことを見せあう場をつくっていきたいと考えています。