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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

北大CoSTEP(選科)合格しました

f:id:yumu19:20180905141846j:plain 応募してた北海道大学 科学技術コミュニケーター養成プログラム (CoSTEP) 合格したので今年度1年間受講します。選科Bです。

CoSTEP is 何?

科学技術コミュニケーター養成プログラム (CoSTEP) というのは、名前の通り、科学技術コミュニケーターを養成するプログラムです。。まだ受講していないので詳細は把握していませんが、科学技術コミュニケーションに関する概論や方法論を学びます。例えば、サイエンスカフェのようなイベントの企画や、サイエンスライティングについてです。北大関係者だけではなく、誰でも応募することができます。北大が正式に主催するコースですが、学位が授与されるわけではありません。詳細はこのリンクを見るとわかりやすいです。

修了生には元RAGFAIRの奥村さんとかもいます。

CoSTEPには本科と専科の2種類のコースがあります。 本科: 講義+演習+実習 選科: 講義 + 集中演習 私が受講するのは専科の方です。選科は集中演習以外はすべてe-Learningで受講することができ、遠隔で進められます。北大で受講してもよいので、都合が合う時は行こうかなと思ってたんですけど、そもそもこういう状況(COVID-19)になってしまったので、少なくともしばらくは行けなさそうです。

CoSTEPができたのが2005年で、当時北大の4年生で面白そうだったので申し込んだのだけど落ちて(当時は大卒以上が対象だった)、それ以来気になってて博士課程終わったら受講したいと思ってて、昨年度でようやく博士論文が終わったので、今回15年ぶりに申し込んだのでした。

選科では90分の講義が週に1回あり、そのレポートを提出します。e-Learningなので、まとめて受講することも可能です。博士論文が終わったとはいえ研究やその他の活動との兼ね合いで時間取れるかどうか心配だったのですが、説明会で受講やレポートのボリュームを聞いて、それほど無理なく受講できそうな気がしました。さらに今年の場合、出張やイベントがしばらく中止になったことで時間がとりやすくなりました。本科の方はもっと忙しいのですが、編集やデザインなどの演習があるのは本科だけなので、いずれは本科も受講したいなと思ってます。

応募した理由

応募書類に「志望理由書」と「課題文」があり、それを見てもらうのが早いと思うので、貼ります。それほど長い文章ではないので、書きたいことを書ききれていない面はあるのですが、それでも、普段漠然と考えていることを他の人に伝わるように一度まとめるよい機会になりました。

志望理由書

北海道大学科学技術コミュニケーター養成プログラムで学びたい理由、学びたいこと、また、修了後学んだことをどう活かそうと考えているかを整理し、以下に記してください。(500字以内)

私は、グラフィックデザイン、映像、文章、プレゼンテーションなどの「見せ方」に関するスキルを学びたいと考えています。これには二つの理由があります。

一つは、本職である情報科学の研究へ活用するためです。研究活動では、研究成果発表はもちろんのこと、研究費獲得など様々な場面でプレゼンテーションを行うことが多く、そのスキルは非常に重要です。また、現在専門にしている無線ネットワークは、身近であるものの目に見えないため、特に一般向けの展示会などでの解説に苦労します。背景知識が無い方へもわかりやすく解説するための表現方法を身に付けたいと考えています。

もう一つは、イベント運営へ活用するためです。本業とは別に、NASAの宇宙データを使うハッカソンや、ものづくり展示イベントなどの運営を有志として行っています。イベントでは、内容が大事なのはもちろんのこと、「知ってもらう」「興味を持ってもらう」ことができないと、そもそも参加してもらえません。開催するイベントにより多くの方に参加してもらうためには、広報文章やフライヤーなどの広告素材が重要となるため、これらの作成スキルを高め、より良い情報発信をしたいと考えています。

課題文

科学技術コミュニケーションに関わる問題を1つとりあげ、解決へ向けて今後自分がどんな役割を果たしたいかを述べてください。(800字以内)

私は、非職業研究者が科学技術についての発表や議論をする場がないことを問題と考え、これを解決するような場をつくりたいと考えています。

大学や研究所に所属する職業研究者は、学会で発表したり論文を投稿したりすることで科学技術について議論します。学会発表や論文投稿は、職業研究者だけではなく、非職業研究者も行うことはできますが、高額な参加費や投稿費が必要なことや、発表や執筆を行う労力の大きさなどから、非職業研究者にとって非常に障壁が高いです。サイエンスカフェのように一般市民が科学技術に触れる場も近年増えています。しかし、学んだ結果をまとめて発表したり意見を交換するような、学会に相当する場はあまりありません。

この問題の解決の糸口は、ソフトウェアエンジニアリングの世界の文化にあるのではないかと考えます。その特有の文化であるオープンソースソフトウェア(OSS)開発は、トップレベルの職業エンジニアも趣味プログラマも垣根がなく、ソースコードを書くことで誰でも開発に参加できます。また、もうひとつ特徴的な文化が勉強会です。勉強会の開催様式は様々ですが、例えば、調べたことや実装したことをプレゼンテーション形式で発表するという形態が取られます。OSS開発や勉強会でのつながりは、所属組織の垣根を超えたコミュニティとなっています。

このようなソフトウェアエンジニアリングの世界の文化を、自然科学などの他の科学技術分野へも拡張し、誰でも自由に発表し職業研究者と非職業研究者の垣根なく議論するような場をつくれないかと思案しています。私は昨年、電子工作やロボットなどの趣味として作った作品を見せあう展示イベントNT札幌2019を開催しました。NT札幌を拡張する形か、それとも別のイベントとしてかはわかりませんが、自然科学などに関しても、調べたり実験したことを見せあう場をつくっていきたいと考えています。

リモートワークのための自宅デスク環境エントリ10選+α

いろんな人のデスク環境を見るのが好きなので、リモートワーク(テレワーク・在宅勤務)が標準となったいま、いろんな人がデスク環境をblogにあげてくれるのを楽しく見てます。なのですが、まとめ記事的なものが見当たらなかったので、自分でたまに見返すために、はてブ100以上ついてたものをまとめてみました。そういえば、以前はブログ記事をまとめたブログやNAVERまとめがよくホッテントリに上がってましたが、最近は見かけなくなりましたね。

シンプル系

ケーブル嫌いのためのデスク周りをスッキリさせるテクニック

@goando さんの、ケーブルをまとめて隠すテクニック。これを参考にしているブログもとても多いです。

ケーブル1本だけの生産性最高なデスク環境をDIYなしで作った話 - 2019版

これも、デスク周りをすっきりスッキリさせるテクニック満載で、参考にしている人が多いです。スタンディングデスク、49インチ曲面ワイドモニタを利用。チェアはハーマンミラー アーロン リマスタード

リモートワークが 超快適になる製品9選 〜仕事に本気なあなたに〜

昇降式スタンディングデスクで、1時間に1回デスクが自動で上がるようにしてるのが面白い。ホワイトボード天板は便利そう。チェアはSteelcase Gesture。

在宅勤務のデスクが完成したので見せたい

作業効率と雰囲気を両立してて、こういうのはとても好きです。ブログも写真が多くていい。チェアはコンテッサ

目的特化系

【2020年版】デザイナー兼YouTuberのiMacデスク環境、作業効率アップ、環境改善につながるアイテム50個くらい全部紹介します!

この記事よいなーと見てたら、知人のデザイナー・YouTuber いちがみ @ichigami さんでしたw 在宅勤務ではなくオフィス環境ですが、参考になるところが多いと思うので載せちゃいます。特に机を2段にしてるのが良いなと思いました。フットレストも良さそう。チェアはハーマンミラー アーロン リマスタード。 解説動画もありました。

エンジニアとギタリストを両立するための最強のデスク環境

ギターや音響関連機器がたくさんおいてあるのが特徴的です。スタンディングデスク。チェアはDUOREST DRシリーズ。

社長として最低限のテレワーク環境を整えてみた

クラスメソッド社長の横田さんの記事。ビデオ会議特化型ですね。チェアはGTRACING ゲーミングチェア。

企業系まとめ

ペパボのパートナーの自宅作業デスクまとめ

4名+番外編2名のデスク環境。

突撃!在宅の開発環境 2020年春

11名分のデスク環境。

Misocaのリモートワーカーの仕事環境2019

リモートワークの環境紹介の記事で、3人分のデスク環境の写真が載ってます。

+α: 私の環境

私の環境も少しだけ紹介します。 f:id:yumu19:20200422230640j:plain

MacBook Pro 15' + Dellモニタ2枚(Dell P2715Q, Dell U2311H)+iPad Proです。写真ではiPadをSidecarにしてますが、モニタ3枚あれば十分なので、Sidecarは使いませんw キーボードは Apple Keyboard、トラックボールはELECOM EX-G 有線です。トラックボールは親指タイプのものは発売されているものすべて一度は触って試してますが、高さがあって手のひらの中央でしっかり抑えられるEX-Gが一番使いやすいです。

マイクはSAMSON Q2U。音質良く、USB接続できるので普通のUSBマイクと同じ様にめちゃくちゃ簡単に使えるので便利です。Podcast用に買ったものなのですが、テレコンやオンラインプレゼンにも重宝してます。¥8,000くらいで買えたのですが、今だいぶ値上がっちゃってますね・・・。

これを、デスクに固定できるマイクスタンドにつなげて使っています。

モニタ下にCO2センサを置いてモニタリングするようにしました。 f:id:yumu19:20200422214526j:plain

Echo Show 5も置いてみました。アニメや音楽を流したりできます。といっても作業中は観たり聞いたりしないのですが。休憩時の気分転換用に。 f:id:yumu19:20200422231330j:plain

机と椅子はIKEAのもので、以前書いたこちらの記事と同じものです。

@masuidrive さんの以下の2つの記事に大きく影響を受けて構築しました。

そう遠くないうちに引っ越す可能性があるので、これ以上あまり凝るつもりはないのですが、照明が暗めで生活するのにはいいものの作業にはあまり適さないので、hueに付け替えて時間によって明るさを変えてみようかなと思ってます。hue自体はだいぶ前から研究用で持っていたものの、普通の用途でちゃんと使ったことなかった。取り付けようとしたらソケットサイズが違ったので変換プラグを注文中。

在宅勤務3日目、Bluetoothイヤホンのすゝめ

f:id:yumu19:20200426142446j:plain 前回の日記 を書いたのが10日ほど前で、その時は7都府県に緊急事態宣言が出た状況だったんですが、その直後の先週の月曜に石川県独自の緊急事態宣言が出ました。国の緊急事態宣言が前フリからだいぶ引っ張って出たのに対し、石川県のはスッと出たので結構驚きました。それで、職場も在宅勤務推奨となり、在宅勤務するために準備していたら、国の緊急事態宣言の対象が拡大されて石川県も入り、先週の金曜から原則在宅勤務になりました。今日で3日目でした。

在宅勤務のしやすさは、家族がいるか一人暮らしかによってかなり違いますし、家にPC作業できる環境があるかどうかによってかなり違いそうです。自分の場合は、一人暮らしな上、元々社会人学生をやってたこともあって家で作業するための環境をきちんと構築してました。職場の環境と比べても特に遜色ないくらいです。作業スペースを広げたかったり、椅子を買い替えたかったり、改善したいところは多少あるんですけど、任期最終年度なので1年以内に引っ越す可能性が高いので、什器はそのままで、散らかってるスペースを片付けるくらいにとどめます。プリンタが壊れてるのは困るので買い換えようかなと思いますが。

あとは、性格による在宅勤務の向き不向きも大きいと思いますが、自分は性格的にも別に数日とか一週間とか外に出なくても大丈夫なんで、今のところは特に問題なく仕事も生活もしてます。家の中だと息が詰まるという人は、他の人に会わないようなところを選んで散歩とかした方がいいと思いますよ。外出しないことが本質ではなく、人に会わないことが本質なので。

自分にとって影響大きいのがお昼ご飯。普段は職場に届く宅配の日替わりのお弁当を食べてたんですが、それがなくなったので、自分で用意しないといけません。コンビニは徒歩圏内にあるものの、買いに行くのも少しは時間かかるし、選ぶのも面倒(決断力を使いたくない)ので、トップバリュの冷凍食品で一食分がトレーにまとまってるやつを一週間ぶんまとめ買いして、毎日食べるようにしてます。そんなに種類が多いわけじゃないんで、いつまで飽きずに食べられるか。

在宅勤務で万人に当てはまるアドバイスはあまりないんですが、万人に向けてオススメしたいのが、Bluetoothイヤホンです。コードがないので、会議中でも冷蔵庫に飲み物取りに行ったり、気分転換に体を動かしたり、部屋を掃除したりできます。一部ではZoom疲れという声も聞こえてきますが、コード付きイヤホン/ヘッドホンでPCの前に束縛されてることも大きな要因なのでは。自分は、AirPods Proを使ってます。発売当初から多くの人が薦めていたので買ってみたのですが、こんな形で役立つとは。

Apple AirPods Pro

Apple AirPods Pro

  • 発売日: 2019/10/30
  • メディア: エレクトロニクス

オンラインイベントの開催も、この状況に適応してだいぶ増えてきたので、いろいろと予定が埋まり始めてきました。明日の夜は HoloLens ミートアップ@ cluster vol.1 、金曜の夜は Infra Study Meetup #1「Infrastructure as Code」 があります。普段は、いくらイベントがあろうと大体東京とかで開催されるのでほとんど関係ないのですが、今はオンライン開催でどれでも参加可能なので、そういう意味ではむしろ前より忙しいかもしれないです。イベント情報に振り回されたくなかったというのは石川に引っ越した理由の一つなのですが、こういう状況もたまにはいいかなと思うので、自分の時間を圧迫しない範囲でいろいろ参加してみようと思います。

COVID-19の話をSNSに書くのはやめよう、と 前回の日記で 書いたんですけど、在宅勤務の話もやっぱり人によって環境や状況が異なり、万人に当てはまることはあまりないので、他の人に余計な刺激を与えかねないことは書かない方がいいなと思ってます。書くのをやめると言うか、書かないというルールにしてます。そうすると、迷ったら書かなくなるし、そうするとタイムラインを見る頻度も自然と減るんでちょうどいい気もしてます。書きたいことがたまってきたら、こうやってブログに書き出そう。Twitterがまだなくてブログをほぼ毎日更新してた大学生・大学院生だった頃を思い出しますね。

告知

SNSを捨て、町に出ず、書を拾い、手を動かそう

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COVID-19関連の情報は、SNSに書くのはなるべくやめて、書くならblogにしておこうかなと思うようになりました。

SNSというのは、コミュニケーションを促進するための仕組みとしてリアクションやコメントがしやすいようにつくられています。そのため、良い反応だけではなくて悪い反応というのもどんどんエスカレートしていきます。SNSで書いた文章は、文章の一部を切り取って反応されることが増えます。Twitterは140文字しか書けなくて、背景や文脈が排除されて読まれてしまうし、Facebook で長文を書いたとしてもきちんと意図通りに読んでくれる人はあまりいないんじゃないかなと思います。blogに書くのも似たようなものかも知れませんが、すごい長文でなければ、とりあえず最後まで読む人の割合は増えるかなと想像します。

COVID-19の場合、何が正解かわからないという極めて難しい状況です。ウイルス自体の情報の不確定もあることに加え、感染症の拡散防止だけではなくて経済的なことや精神的な健康も考慮しないといけない。変数が複数あると、解を出すことは極めて難しくなります。どんな主張でも、完璧なものなど無くて、ほぼ必ず突っ込みどころがあり、このような正解がわからない状況では、粗探しは容易にできます。不安な気持ちから逃れるために、誰かを批判して安心を得たいという本能が働いているのでしょう、ということは 2020年3月30日の日記 にも書きましたが、一旦落ち着きましょう。先日、緊急事態宣言が出たことで、日常の劇的な変化は一旦落ち着き、単に数字を追いかける日々が続くのではないかと想像しています。SNSやWebのニュースで情報を拾って一喜一憂するよりは、NHKスペシャルでまとまった情報を見るくらいでいいんじゃないか思ってます。

遅いインターネット という本が話題になっていますが、恐らくこういうことが書いてあるんじゃないかなと想像します。まだ読んでませんが。

遅いインターネット(NewsPicks Book)

遅いインターネット(NewsPicks Book)

SNSで時間を浪費するより、自分のやりたいことをやるために時間を使ったほうが有意義です。自分は元々、夏休みや年末年始のような長期休暇にやりたいことをリストにまとめていました。そのリストから、今やりたいことをどんどん引っ張って消化しています。本を読んだり映画を見たり勉強したりするのも良いと思います。ただ、情報をインプットするだけよりも、何か目に見えるアウトプットがあるものの方が精神的にもとても良いので、そういうものを選ぶと良いと思います。自分は今、CPUを自作しています。メイカー活動は「工業的に生産された量産品から作る喜びを取り戻す」みたいなことを誰か言っていた気がするのですが、作る喜びというのは今まさに必要なもので、今できる活動として相性がいいと思います。

P.S.

音声入力での執筆もだいぶ慣れて、早くなってきました。これくらいの文量だと、音声入力5分、文章整形20分。整形をもっと早くしたいですね。