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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

書籍紹介『融けるデザイン ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論』

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融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

明治大学の渡邊恵太( @ )さんの本。

「デザイン」といえば、ちょっと前であればDTPやwebデザインがメインだったけれど、いまはちょうどパソコン以外のものがインターネットにつながり始めた過渡期で、新しいデザインが議論され始めている。本書は、サブタイトルに「ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論」と書かれている様に、そんないまの時代の議論を象徴するような本。

VisualHaptics、CursorCamouflage、smoon、Integlass、LengthPrinte、CastOvenといった自身の研究成果を交えながら、考えをまとめている。研究概要を知るには各研究の動画をYouTubeで見るのが早いのだけど、何を思って取り組んだ研究なのか、研究した結果得られた知見は何なのか、ということは動画を見るだけではわからないので、こういう文章の形で示されるのは面白いしありがたい。

自己帰属感による道具と身体の境界など、認知心理学的視点からヒューマンインタフェースが解説されているのがとても面白い。この手の話で必ず出てくる書籍がドナルド・A・ノーマンの「誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)」なのだが、25年前の本で、正直あまり読みやすい本だとは思わない*1ので、まずは融けるデザインから読むのをオススメしたい。

*1:僕は途中で挫折していまだに読みきってませんw