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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

科学技術は日本を救うのか


科学技術は日本を救うのか (DIS+COVERサイエンス)

科学技術は日本を救うのか (DIS+COVERサイエンス)


JST理事長の北澤宏一氏の本。学術的な、あるいは科学的な視点から書かれたものを期待して読んだが、どちらかというと経済的な視点から日本経済を支えるための科学技術の在り方が書かれている。なので、想定していた内容とは少し異なったが、これはこれで面白かった。


具体的なデータを提示して定量的に議論が展開されるのがよかった。例えば、日本の大学(東大、早稲田)とアメリカの大学(ハーバード etc.)の年間収支の比較。日本の大学は、東大(国立)は国立学校特別会計(国からのお金)、早稲田(私立)は学生の授業料が主な収入であるのに対し、ハーバード(私立)では事業収入と寄付金が多く、それらを合わせると収入の半分位を賄っている。グラフが掲載されているので一目瞭然であった。


この本は DISCOVER サイエンスというレーベルの本で、名前から想像できるように『超訳 ニーチェの言葉』なんかを出してる Discover21 が出版社なのだが、このシリーズは他にも面白そうな本ばかり。まだ5冊だけど今後出てくるのが楽しみ。


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