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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

6時間労働で午後3時に定時退社。そんな会社はうまくいかない

この会社は以前は8時間労働だったのを7時間半に短縮。そして、今回一気に6時間に減らそうとしているのですが


素晴らしい。技術が進歩しているんだから、仕事は機械にまかせて、人間は休めばいい。現代人(特に日本人)は働き過ぎ。

と思って中身見てみたら、うーん。。。

労働時間短縮のため、社内資料は簡素化、長文メールは廃止、口頭で伝えられるものは口頭で、といった効率化を進めている


目先の生産性にとらわれて資料を簡素化すると、情報が残らず後々困る事態が発生する。ムダな資料はどんどん削るべきだけど、社内資料が作られるようになった背景を考えないと。
そして、最後の「口頭で伝えられるものは口頭で」が特に気になる。たしかに口頭でのコミュニケーションの方が、伝えられる情報量は多い(スループット大きい)のだが、メールには「非同期通信が可能」「複製・転送が容易」「エビデンスが残る」というメリットがあるので、口頭がメールよりも必ずしも優れているわけでない。

スタートトゥデイには、人事考課制度が存在しないそうです。上司と部下がコミュニケーションできていれば、指数化するような制度は必要ないという考え方だそうです。そして人事部さえ存在しないのです。社員同士を親友のように信頼関係で結び、一緒に働く。「マグロ船」で釣れたマグロは船員全員で平等に分けるという考え方のようです。

モメなければいいけど。。。


この会社では、いわゆる属人的なワークスタイルを目指してるように見える。一方その逆は、仕事をシステム的にする方向。それぞれ以下のような特徴。

属人的
  • 個人や限られた数人が情報をもつ
  • 情報を整理する作業や管理するコストを減らせる
システム的
  • 情報が組織で共有されている
  • 誰かが欠けてもバックアップ可能
  • 人や組織の流動性を高められる


いま世間は仕事をシステム的にする方向に流れていると思うので(個人的に好みだからそう思ってるだけかもしれないけど)、時代に逆行しているなーと。いろんな働き方ができるようにいろんな組織があっていいし、組織を固定化して人を流動化させないという戦略をとるならアリかもしれない。ただ、組織を固定化すると変化に弱くなるので、大丈夫かな。。。


まあ、BLOGOS のこの記事しか情報がないので、実際の現場ではもっとシステム的な仕事効率化しているのかもしれないけど。
なんかちょっと気になったので、マジレスしてみた。


繰り返すけど、現代人(特に日本人)は働き過ぎ。勤務時間はこのくらい短くていいよ*1

*1:釣りタイトル、サーセン。。。