yumulog

北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

生きていくのに必要なクラウドサービスをオープンソースで自前で立てる

f:id:yumu19:20151228195513j:plain DropboxGoogle Driveなどのクラウドサービス、便利すぎて生きていくのにもはや不可欠なのですが、情報管理の関係で外のサーバに置けないなどの理由で使えないこともあります。かと言って、いまさらExcelをメールでやり取りする時代には絶対に戻りたくないので、じゃあどうするかというと、世の中のメジャーなクラウドサービスにはたいていクローン(同等の機能を備えた)のオープンソースソフトウェアが存在するので、それを使って自前でサービスを立ち上げましょう。

ownCloud (Dropboxクローン)

DropboxGoogle Driveなどのような即時同期できるオンラインストレージサービス。名前的にはMicrosoft の oneDriveを意識してるのかな。デスクトップクライアントがWindowsMacLinuxとメジャーなOSに対応してて、モバイルクライアントも有料だけどiOSAndroidなどに対応。

Gitbucket (GitHubクローン)

日本人エンジニア @ さん作のGitHubのクローン。(上から目線で恐縮だが)とても良く出来てる。他に有名なGitHubクローンとして GitLab というのもある。*1

Etherpad (Google Docsクローン)

Etherpad

みんなで同時に文書編集できるGoogle Docsクローン。デフォルト設定で文字にカラフルなハイライトがついててウザかったりするが、機能的には十分。

Ethercalc (Googleスプレッドシートクローン)

EtherCalc - Share the URL to your friends and edit together!

表計算ソフト(要はExcel)をみんなで同時に編集できるGoogle Spreadsheetクローン。1ファイルに複数シートをつくれないなど、機能的にはGoogleスプレッドシートにだいぶ劣って使いにくいけど、Excelをメールで送り合うよりは100倍マシ。

Let's Chat (Slackクローン)

チャットツールSlackのクローン。入れてみたけどあまり使ってなくて、そもそもSlack自体もほとんど使ったこと無いので、どっちがどうという比較はよくわかりません。

まとめ

たいていのことはなんとかなるもんですね。そしていまやこれらのオープンソースソフトウェアは、Dockerイメージとして配布されてます。必要な環境含めて docker pull 一発でインストールできるので導入がとっても簡単で、ちょっと試しに使ってみたい時にも環境を全く汚さずに気軽に試せるので本当に素晴らしいです。他に便利なオープンソースソフトウェアがあれば教えて下さい!

そして、どうしても自前で用意しなければいけないという理由が特にないなら、素直に本家のクラウドサービス使ったほうがいいです。

*1:GitoriousってGitLabに吸収されたんだ、というのをこれ書いてて知った

論文紹介『Tiltcasting: 3D Interaction on Large Displays using a Mobile Device』

はじめに

本エントリは ヒューマンコンピュータインタラクション論文紹介 Advent Calendar 2015 の12日目です。Advent Calendarとは、12月1日〜25日まで1日ずつ担当を決めてみんなでblog記事を書いていく企画です。ITエンジニアの間ではもうだいぶお馴染みの年末の習慣になってきました。本日紹介するのは『Tiltcasting: 3D Interaction on Large Displays using a Mobile Device』。

研究紹介動画はこちら

論文概要

  • バーチャル3D空間内のターゲットオブジェクトを選択する新しい手法
  • スマートフォンがコントローラ
  • メインディスプレイ内の平面(黄色)がスマートフォンの傾きと同期
  • 平面内にあるオブジェクトをスマートフォン画面タップで選択
  • 平面より手前にあるオブジェクトは非表示になる
  • 同じグループの先行研究と比較して評価実験を行った
  • 選択するターゲットが遮蔽されていない(隠れていない)場合、選択にかかる時間は先行研究のほうがやや短い
  • 選択するターゲットが遮蔽されている(別のオブジェクトの後ろに隠れている)場合、選択にかかる時間は本研究のほうが大幅に短い

明日はおおた( @ )さん!

論文紹介『Protopiper: Physically Sketching Room-Sized Objects at Actual Scale』

はじめに

本エントリは ヒューマンコンピュータインタラクション論文紹介 Advent Calendar 2015 の3日目です。Advent Calendarとは、12月1日〜25日まで1日ずつ担当を決めてみんなでblog記事を書いていく企画です。ITエンジニアの間ではもうだいぶお馴染みの年末の習慣になってきました。

本日紹介するのは『Protopiper: Physically Sketching Room-Sized Objects at Actual Scale』。この研究を行っているのはHasso Plattner Instituteというドイツのポツダム大学の研究所で、HCI系ではその名前をよく見かける有名な研究所です。

研究紹介動画はこちら

日本語の紹介記事もあります。

論文概要

  • 3次元立体物を生成するためのデジタルファブリケーションツール
  • テープをまるめてチューブ状にして出力
  • チューブは電熱線で切断
  • カットは3種類:ストレート、羽根型、折り曲げ
  • コードレスで手持ち可能な大きさなので、持ち運びが容易

紹介者感想

  • 見た目がスプラトゥーンのブキみたいでカッコイイ!
  • わかりやすい研究なので動画をみるだけで概要つかめると思います
  • 詳細仕様や関連研究は論文を参考に

明日は武田優生( @ )さん。uniMorph (UIST2015)を紹介してくれるそうです。

家の外からhue APIを叩く #おうちハック

本エントリは おうちハック Advent Calendar 2015 の1日目です。Advent Calendarとは、12月1日〜25日まで1日ずつ担当を決めてみんなでblog記事を書いていく企画です。ITエンジニアの間ではもうだいぶお馴染みの年末の習慣になってきました。おうちハックAdvent Calendarは昨年に引き続き2年目の試みです。

hueは、iPhoneアプリ等で色を制御できるLED電球です。

Philips hue(ヒュー) スターターセット 929000259907 リテールパッケージ

Philips hue(ヒュー) スターターセット 929000259907 リテールパッケージ

hueのブリッジ(親機)がweb APIを提供しているので、少しプログラミングがわかればAPI経由で簡単に制御できていろいろ遊ぶこともできます。このhueブリッジを家に置くと、ふつうのご家庭*1のネットワークではhueブリッジにプライベートIPアドレスが割り当てられ、外からhueブリッジにアクセスすることができません。そこで、宅外にサーバを立て、宅内にブリッジ用PCを用意し、websocketを利用して通信します。

EC2にアクセスしてるので家の外から操作なのですが、PCが物理的に宅内にあるのでわかりにくい・・・ 遅延も全く気にならないレベルです。

PICALA(昨年ラジhueと呼んでいたもの)を、このシステムを利用して構築し、4G回線経由で叩ける用にしたので、それを例にして紹介します。

こんな感じの構成です f:id:yumu19:20151201233828p:plain サーバはEC2で運用しています。mBaaSを使うともうちょっと楽にできるのかも。触ったことないので一度試したいと思いつつ、手が回らず試せてません。。。 ブリッジPCはMacで有線(hueブリッジ接続用)とiPhoneUSBテザリング(インターネット接続用)の2回線を用意しています。

ソースコードはこちらにあります。

node.jsでつくっていて、app.js と admin.html が socket.io を利用してwebsocketで通信します。 socket.io、めちゃくちゃ楽に使えてほんとによいですね。いろいろ重宝してます。

まとめ

家の外からhueを叩けるようになることで、おうちハックの幅も広がりますね!

おうちハックAdvent Calendar、まだまだ枠に空きがあるので、ぜひ登録してみなさんのおうちハックを披露して下さい!

おうちハック同好会Facebookグループもあるので、こちらももしよければ登録してください〜。

明日は石田陽太さんの「我が家のおうちハックの現状」です

*1:宅内機器をグローバルIPで運用していたり、NATにポートフォワーディングを設定するのはふつうのご家庭じゃありません