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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

研究者だけどエンジニアと呼ばれることについて

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いろんな方と話している時に、私のことを「エンジニア」と呼ぶことがよくあるんですが、その度に、「エンジニアじゃなくて研究者なんだけどなー」と思ってます 。コード書いたりもしますが、そんな毎日バリバリ書いてるわけではなく、プロダクション向けのコードをデプロイしているわけでもないので、エンジニアと呼ばれるのはなんかちょっと違うかな、私がエンジニアを名乗るのはおこがましいなと感じてます。わざわざ訂正はしませんが。

以前、いけあやさんが女優じゃなくてタレントだとブチ切れてたことがあるんですけど、その気持ちとおそらく同じです。

私も、以前はエンジニアだったということで、余計ややこしいんだろうなとは思います。現職のNICTに入った時も最初は技術員と言う役職だったのでいわゆるエンジニアなんですが、2年目からは役職が研究員になったので、役職で区切るならこのときから研究者です。研究者5年目です。

エンジニアでも研究者でもない人からすると、違いがわかりにくいんだろうなとは思います。特に情報系では、やってることが似てたり、場合によっては同じことをやってたりしますし。研究者としての役職に就いていても、自身がエンジニアであるという意識を強く持っている人もいます。工学部、工学博士を英訳するとそれぞれDepartment of Engineering、Doctor of Engineering なので、そもそも違いは何なのか。工学研究者は、研究者なのか、エンジニアなのかというのもよくわからなくて、これはまだあまり深く調べたり考察したりはしていません。

ただ、研究とエンジニアリングの敷居が低くなり、行き来がしやすくなるのは、キャリアパスの多様性の面で大賛成です。実際、情報系では他分野と比べて敷居が非常に低くなっていると思います。

当然ですが、エンジニアより研究者の方がすごいというわけではないです。わざわざ言及するまでもないくらい当然だと思うんですけど、たまに情報系研究者がソフトウェアエンジニアの上位職だと思っているように見受けられる場面にたまに遭遇するので。逆もまた然り。役割が違うだけです。すごいエンジニアはすごいし、すごい研究者はすごい。

以上、たまに「エンジニア」と呼ばれるけどわざわざ訂正するほどでもなく、毎回少しずつモヤっとした気持ちがたまっていくので、blogに吐き出してみました。