良い本を読んだ後は、「読んで良かった」という気持ちになる。とても良い本を読んだ後は、「もっと早くから読んでおけば良かった」という気持ちになる。この本は、まさに後者のような本だった。
- 作者: 山田ズーニー
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/11
- メディア: 新書
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最近、blog の記事執筆で行き詰まりを感じてきたので、文章の書き方を改めて考えてみようと思い、読んでみた本。
著者は、もともとベネッセで小論文を担当していた方。とってもわかりやすい。そもそも、文章の書き方の本なのだから、わかりやすいのは当たり前と言えば当たり前なのだが。
まず最初に書かれているのが、文章の7つの要件。
- 意見 あなたが一番言いたいことは何か?
- 望む結果 だれが、どうなることを目指すのか?
- 論点 あなたの問題意識はどこに向かっているか?
- 読み手 読み手はどんな人か?
- 自分の立場 相手から見たとき、自分はどんな立場にいるか?
- 論拠 相手が納得する根拠があるか?
- 根本思想 あなたの根本にある想いは何か?
その中でも、特に基本になるのが「意見」「論点」「論拠」の3要件。これらを強く意識するだけでも、文章は相当良くなりそうだ。文章を書くときだけでなく、頭の中の考えを整理するためにもよい。
そして、blog を書くときに特に足りなかったのが、「望む結果」だったのだなあ、と気づく。最近は読んだ本について書くことが多いのだが、そのときの「望む結果」が何かと考えると、その本や本が扱うテーマに興味を持ってもらうことなのだろう。単に本の中身を要約するだけでなく、興味を持ってもらうことを意識して書いてみよう、と思った。
また、後半は、議事録、志望理由書、メールなどを書く際のより具体的なコツが書かれている。例えば、志望理由書を書くときには、志望理由を固めるため以下のような問いかけを自分自身で行う。
- たくさんある仕事からなぜ〜を選んだのでしょうか?
- 〜はどんな仕事ですか?
- 〜で仕事をしていくには、どんな能力・資質が必要ですか?
- 〜に直接的、間接的に関係して、今、日本や世界では、どんな問題が起きていますか?
- 上で答えた問題の原因は何で、解決にはどうしたらいいと思いますか?
- 〜という視点で社会を見たとき、5年後、10年後に実現したい理想の社会はどんな社会でしょうか?
- 〜において、あなたはどんな仕事をしたいですか?
- あなたの過去・現在をふりかえって、あなたは〜に就職するのにふさわしい、どんな長所を持っていますか?またどんな努力をしていますか?
- 以上のことを統合し、あなたは、なぜ〜の仕事を選んだのか?そこで何を目指すのか?を、意欲を持って、具体的に、人にわかるように説明してください。
これも、実際に志望理由書を書くときだけでなく、自分が興味を持っていることを客観的に見直すのに役立ちそうだ。自分が就活の時にこれを意識していれば、ちょっとはマシだったかなあ。(就活本には書かれているんでしょうが。ちゃんと読まなかった自分が悪い。)