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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

北陸先端科学技術大学院大学を単位取得満期退学しました(退学後2年以内に博士号取得予定)

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2017年9月30日に北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) 情報科学研究科 博士後期課程(社会人コース)を単位取得満期退学しました。在学年限の6年間(+休学1年間)を迎えたためです。博士号は2年以内に取得する予定で引き続き博士の研究します。仕事等の生活についても特に変わりません。

単位取得満期退学とは

厳密な定義はよく知りませんが、博士研究以外の博士修了要件(授業の単位取得など)を満たし、あとは博士論文を書いて提出するだけという状態で退学することを指します。Wikipediaにも載ってます。もともとは、文系の「博士課程を終えても博士号は取得せず、教授とかになってから取得するのが普通」みたいな考え方から生まれたもののようです。

博士課程では、社会人学生に限らず単位取得満期退学をするのはたまに見かけます。私のように在学年限を超えた場合もありますが、標準年限(3年)を過ぎて就職が決まっていたり授業料を払うのがもったいない場合が多いように思います。

単位取得満期退学をすると、退学後も一定期間内は博士論文の審査を受けられ、審査を通ると博士号が授与されます。期間は大学によって違うと思いますが、JAISTの場合は2年以内です。

退学するには退学願を提出するのですが、これが思っていたよりだいぶ大変で、指導教員、副指導教員、副テーマ指導教員、学系長(旧研究科長)の4人から承認印と所見(コメント)をもらい、退学予定日の1ヶ月前に提出します。これが教授会で承認されると退学が許可されます。ちなみに退学が許可されないと除籍(授業料を払わなかったりした場合と一緒)になります。

今後の予定

上記の通り退学後2年以内ということで、2019年9月が学位取得のタイムリミットなのですが、現実的で最速なスケジュールとして2018年12月に学位取得のつもりで動いています。投稿論文の採択可否などの状況によってはもう少し遅れるかもしれません。

今までの研究を博士論文のストーリーの一部としてまとめ直したり、追加の実験が必要になるかもしれないことを考慮して、 少し早めの年明けあたりから博士論文執筆に取り掛かろうと思っています。まだもうちょっとありますが、1年前や2年前と比べると道筋だいぶ見えてきました。。。

退学するとどう変わる?

社会人学生ということもあり、いままでとこれからで変わることは特になさそうです。JAISTの学生ではなくなったのですが、実はJAISTのプロジェクト研究員という身分も以前から有しているので、引き続きJAISTの人です。JAISTの設備等もいままでとそれほど変わらずに使えるのではないかと思います(よくわかってない)。

いままで使っていたJAISTのメールアドレスは失効しました。といってもJAISTのメールアドレスはそれほど使っておらず、学会系のMLにいくつか登録してたのを変更しただけでしたが。

授業料を払わなくてもよくなりました。JAISTでは標準在籍年数の3年分の学費で最大6年在籍できるという長期履修制度というものがあり、実質半額で大変助かりましたが。

あとは、入会している学会の会員種別を学生会員から正会員に変更しました。

心残りといえば、国際会議で開催されるDoctoral Symposiumに一度も参加したことがなかったので、参加しておけばよかったなあというのは最近強く思ってます。博士課程の人は行くといいと思うよ。

小学校入学以来、修士課程修了から博士課程(社会人コース)の入学までの2年半を除いた23年間は学生だったわけですね。長いなあ。博士号取得できなかったりしたら、またどこかの大学院に入る可能性も無くはないですが。もう入りたくねぇなぁ。

現役の社会人博士の皆様におかれましては、単位取得満期退学せずとも学位取得できるよう、計画的に博士研究を進められることをお勧めします。