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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

2013年すごいと思った研究

自分の研究は進捗ダメですが、2013年に「これすげー!」と思った研究をいくつか紹介します。

AquaTop display

電通大小池研の AquaTop Display。水と発泡スチロールなのでいろんなインタラクションができますね。トレたま年間大賞 はじめ、いろんなところに出てました。

LumoSpheres

LumoSpheres: 複数浮遊物体の実時間追跡にもとづく映像投影。これも電通大小池研。WISS2013 で見て知りました。物体の軌道を追跡+予測して投影する技術で、3次元粒子ディスプレイの実現のための前段研究とのこと。まだ研究の途上段階だからか動画などはWebからは見つかりませんでしたが、WISSの動画アーカイブで発表見れます。

凸P(Mont Blanc Pj)

@ さん @ さんの凸P(Mont Blanc Pj)。実世界とコンテンツのインタフェースにレゴを使っているというのがすごく面白いです。Maker Faire では展示は見れなかったのですが、ブログで紹介記事を拝見し、すごく面白かったのでニコニコ学会βに推薦して登壇して頂きました。

3次元超音波物体浮遊

最後は東大暦本研の @ くんのこれ(名前ないの?) 。2013年の最後にすごいの投下してくれた。もうすごすぎて笑うしかない。

プロジェクション系にすごく偏ってますが、そういえば2013年は「ライゾマかっけー」とか言いながらこういうのばかり見てた気がする。プロジェクションマッピングの研究の歴史は、これも ochyai くんの書いた記事がすごくよくまとまってると思います。

個人で研究するということ

3番目に紹介した 凸P は、企業や大学の研究ではなく、プライベートな活動として行っているものです。Maker Faire で出展されたり、ニコニコ動画に上がっていたりする作品の中には、企業や大学で行っている研究と遜色ないと思えるものもよく見かけます。僕が最近よくお手伝いしているニコニコ学会βでは、そのような研究者を「野生の研究者」と呼んでいます。「野生の研究者」と「プロの研究者」の違いとか、組織に属さずに個人で研究することについても、2013年はいろいろ考えてました。

WISSの20周年イベントに向けたニコニコ学会β実行委員長の @ さんのインタビュー動画の中では

  • 「所属があって出すのが今当たり前」
  • 「所属というものが無い人も対等に扱われる場が必要」

という、ニコニコ学会βを立ち上げるに至った思いが語られています。

また、@ さんという「独立系研究者」の存在を知ったことも、いろいろ考えるきっかけになりました。

2014年について

Cyber-Physical System とか呼ばれたりする、いわゆる「Web+実世界」なものをやろうとはずっと思ってます。さらにいま明大 FMS で動画視聴の研究をしているので、「Web+実世界+動画」的な方面で進めていければなあと思ってます。具体的にはまだ何も決まってませんが!

イメージしているものと方向性が近い先行研究としては、明大宮下研 @ さんの norinori.in がありますね。

いまなら Hue などを使って手軽に実環境とのリンクもいろいろできますし。

情報掲示という意味では、既存サービスに ニコニコ実況ANOBAR があります。この辺は、家電メーカーにいたときに相当いろいろ考えてましたが、5年くらい経った今も、状況は全然変わってないですね。

2020年は東京オリンピックがあるので、そこに向けていくつか要素技術を仕込んでおきたいと思ってます。で、2014年はW杯があるので、そこを実験の場として使えるとちょうどよいなあと思ってます。具体的にはまだ何も決まってませんが!