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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

第46回情報科学若手の会に参加しました #wakate2013

2013年9月14日〜16日に開催された情報科学若手の会に参加してきました。会場は去年に引き続き静岡県伊東市の山喜旅館。今年で3年連続3回目の参加です。

初日14日に明大宮下研のABProがあり、こちらも絶対出たかったので、午前中はABProに参加し、新幹線と特急を駆使して若手の会開始の14時に間に合うギリギリに出発するというスケジュールでした。 ちなみにABProではこんなのをつくって発表しました。

出会い

今年もいろんな方とお話しできました。昨年、お話ししたいと思っていた方とお話しできず心残りだったことがあったので、今年はできるだけ多くの方(できれば全員)とお話ししたいなーと思っていたのですが、2日目で終わってしまったのもあり達成できず。うー。。。

はてなのエンジニアの id:ninjinkun さん。はてなのサービスは大好きで、ninjinkun さんの作られたはてなブックマークiOSアプリはFacebookTwitterと並ぶアプリ3本柱としてめっちゃ使ってます。NJKWebViewProgress などをつくられていてiOSエンジニアとしても尊敬する方なので、お会いするのめっちゃ楽しみにしてました。 夜セッションでは、はてなブックマーク iOS SDK のお話しをされていました。はてブSDKは、iOSアプリにはてなブックマークの機能を簡単に追加するためのSDKです。 僕ははてブヘビーユーザなので、読んだ記事は大抵ブクマするのですが、iPhoneTwitterなどのアプリからブクマしようとすると、「記事を開く→Safariを開く→はてブブックマークレットでブクマ」とSafariを経由しなければいけなくて非常に面倒なので、はてなブックマークSDKが普及していろんなアプリ(特にJanetterとFeedly)からはてブできるようになるといいなあ。 はてなブックマーク iOS SDKオープンソースプロジェクトなので、機会があれば何かコミットできるといいなあと思いました。そのためにはまず使ってみないと。うーん、twitterアプリでも作るかー。

@ さん、 冬の陣 でも少しだけお話ししたんですが、改めて今回ちゃんとお話しできました。相変わらずプレゼンテーションのクオリティが高いです!セッションは内容非公開な話だったんですが、まさに今の自分の状況において、すごく参考になる話でした。 あー、あと、DeployGate めっちゃ使ってます!便利です!

今回の招待講演者 @ さん。第一回ニコニコ学会 にも登壇されていました。 講演のボカロのお話しも面白かったのですが、学生時代に人工衛星あけぼので赤道域ELF波動の電波特性の研究をされていたとのこと!僕も学生時代にあけぼの衛星の運用のアルバイト*1をやってたりしてたので、休憩時間にそのお話しもいろいろさせて頂きました。

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剣持さんのセッション。

同じく今回の招待講演者 @ さん。UEIのエンジニアでありつつ、東京大学の大学生でありつつ、東京大学大学院の組織である情報学環の教育部所属。 最後の情報学環教育部が本当に意味がわからなかったので、Wikipedia先生に聞いてみました。

へー。こんなのあったんだ、知らなかった。 講演では教育とプログラミングの話をされていました。この辺、興味がありつついままであまりちゃんと調べてこなかった領域なので、とても面白かったです。「あなたが思いつく身の回りのプログラムを10個挙げてください」と問いかけたりして聴講者も巻き込んでいて、さすがプレゼン慣れしてるな〜と思いました。そして、1日目にお話しできなかったので、2日目こそはと思っていたら、台風。うぅー。。。

@ くんは、2回目の参加だったのですが、夜セッションで Interop の ShowNet について発表してもらいました。Facebook 経由で ShowNet に参加されてたことを知っていて、とても面白そうだったので、純粋に自分が話を聞きたいと思って一日目の夕食のときに「飛び入りセッションで発表聞きたいー」とお願いしたのですが、結果的に発表へ背中を押した形になったみたいでよかったです。

実際とても興味深い内容で、当日の楽しさや辛さも伝わってきて、自分も機会があればぜひ参加したいと思いました。

その他にもたくさんの方とお話しし、全部は書ききれませんが、美大出身でデザイナーからプログラマーになられた @ さんにいろいろ聞いたり、JAISTの研究室の後輩の青戸くんに研究室の近況聞いたり、@ さんがコミュ力アップしてたり、@ さんとあまちゃんを見たりして楽しくすごしました。

屋内測位

前々から(去年から)やりたいといっていた屋内測位の話を @ さんと @ さんとすることが出来ました。ちょうど Estimote というBluetooth測位用デバイスのプレオーダーが始まったという話題もあり、@ さんと kyoro さんを交えてビジネスっぽい話も。実空間と情報の融合ってこれから絶対起こると思ってるんですが、その辺をまだ上手くサービスに繋げられていなくてもやもやしてて、でもその辺の考え方についてわりと共通の意識を持っていることが確認できたのが励みになりました。

レクリエーション

毎回、幹事の方が、レクリエーションイベントを企画してくれています。今年は入室ゲーム(≒リアル脱出ゲーム)でしたが、これがすごく面白かったです。問題の難易度もちょうどよかったですし、共同作業で問題を解くので達成感や連帯感が生まれて打ち解けやすくなりました。

僕らのチームは3位になり、カードサイズのサバイバルツールをもらい、その後の懇親会の時に栓抜きとして大活躍しました。

準備大変かと思いますが、また来年も楽しみにしてます!

飛び込みセッション

今回も夜の飛び込みセッションでお話ししました。会社辞めて個人事業主になったので、そのことについて。

せっかく自分が珍しい経験をしてきているので、参加者(特に学生)に情報を提供できればという思いで話しました。昨年も 大企業とベンチャーで働くということ という話をしていて、2年連続でキャリアっぽい話。こういう話をすることになったのは、一昨年に初参加した若手の会の講演や懇親会で、@ さんや @ さん、@ さん、@ さんが人生やキャリアについて話してくれたことに影響を受けている気がします。

あと、部屋の隅のほうで、アレ(光る地球儀)も展示しました。皆さん喜んでくれたり、いろんな意見をくれたりして、ちょっと重い荷物を持って行った甲斐がありました。

台風

今年は台風18号の影響で、2日目のセッションを終えた18時で会が終了となってしまいました(><) ただ、そこで全員帰宅というわけではなく、各自の予定や交通機関の状況に合わせて、帰宅するか予定通り3日目まで泊まるか選択できました。自分も泊まる組として3日目までいました。

3日目の午前中に台風は過ぎ、電車も動いていて新幹線にも問題なく乗れて、ほぼ当初の予定通りに帰ることができました。結果的には自分は予定通り帰れたけれど、飛行機や下りの新幹線は止まっていたりしてたし、幹事の判断として正しかったと思います。

2013-09-16 11.15.41

台風が過ぎ去った後、海で遊んだり。

参加者について

参加人数

参加者数は約50人でした。前回よりも10名ほど減ったとはいえ、一昨年以前と比べるとまだかなり多くて、かなり意識しないと2泊3日では全員と話しきれない人数。

ただ今回は、台風の影響で、2日目の夜の大多数の人が帰ってしまったため、2日目の夜には20人くらいになりました。これくらいの人数だと、会話のグループも少人数になり、やっぱり一人ひとりとかなりゆっくり話せるなあと改めて感じました。

ある程度深い話をしようと思うとこのくらいの人数がいいんでしょうが、「いろんな分野の人に参加して欲しい」「いままでの参加者とも再会したい」という要求を満たそうとすると、どうしても大人数になってしまうので、難しいところ。。。

情報科学」って、とっても広いので、この情報科学若手の会が、情報科学の若手の受け皿になろうとするのはどうしてもキャパ的に厳しそう。じゃあどうすればいいかというと、考えられるのが

  1. 年複数回開催
  2. 分科会開催
  3. 他の似て非なる組織が立ち上がる

まず1は、幹事の負担が大きいので、この形式を年2回以上開催するのは難しそう。前回と今回の間に企画された 冬の陣 はすごくよかった。準備も泊まり開催より遥かに楽だそうなので、ぜひ続けて欲しいです。というか、非公式イベントなので、情報科学若手の会幹事が企画しなくてもいいんですよねー。この辺、うまく負荷分散して開催コスト抑えられれば。

2は、分野で区切ったり、地域で区切ったりというのが考えられますが、いままで「情報科学」というざっくりした括りでの集まりだったおかげで普段出会わない異分野の方と交流できたのが情報科学若手の会のよさでもあったので、そこは損なわれてしまいそう。現実的に考えると、分科会をやりつつ、年に一回、全体での集まりをやるとかでしょうか。って、わりとガチの学会活動っぽい方向になりそう。

3、情報科学若手の会はもうこの規模で留めておき、この他に情報科学若手の会と同様の若手の研究者、エンジニアの受け皿となる同様な組織・イベントが他に立ち上がってくれれば、情報科学全体の受け皿になるのでは。と思ったけど、似て非なる組織がいっぱいあって電子情報通信学会と情報処理学会のようになってしまうとわかりづらいか。。。

参加者層

昨年まで幹事だった @ さんや、常連の @ さんや @ さんがいなかったというのもあり、結構若くなったなーという印象だったが、ふと気づくと自分も上から数えて4番目*2になってた( ゚д゚) そりゃどこの会話グループに入ってもだいたい最年長になるわけだ。。。

学生と社会人の割合がどのくらいか気になったので、大雑把にグラフ化してみました。

去年より社会人率増えてる。去年学生だったけど卒業して継続参加している、という人が結構いたように思います。

初参加のハードル

振り返りの時に話題に出たので、自分が初参加だった時のことを思い出してみました。

このイベントをどこでみつけたのかはもう忘れましたが、おそらく誰かがツイートしていたのを見かけたとかだと思います。参加の動機は @hillbig さんや @takesako さんのお話を聴きたいとか、いろんな分野の話を聴きたいというのがもちろんあるのですが、最大の動機をひとつ挙げると

「知り合いを増やすこと」

もともと修士までは異分野だったので、情報系分野の知り合いがあまりいませんでした。「この先、この分野でやっていくならこのままじゃダメだよなー。知り合い多いに越したことはないよなー」と常々思ってました。この、知り合いを増やすというのは、大学院の社会人博士コースに入学しようと思った動機のひとつにもなっています。

参加する前は誰も知り合いおらず、「きっとみんな知り合い同士が多いんだろうなあ」と思って結構尻込みしたのですが、上述の目的の達成のために勇気を振り絞って参加しました。まあ、いざ参加してみると、勇気を振り絞る必要は特に無かったくらいすごく楽しくて居心地も良かったのですが。

内輪感については、たしかに常連メンバーは何名かいるので、前回のネタだったりを持ち出すことも稀にあります。ただ、参加者の半数が初参加者で占められていることからも分かる通り、あくまで今回の若手の会をつくってるのは今回の若手の会のメンバーであって、初参加者が居辛い雰囲気にはなってないと思います。これは幹事の皆さんや他の参加者の皆さんの気遣いや心がけによってできていると思うので、仮に参加者のリピーター割合が2/3とか3/4とかに増えたとしても、初参加者が居辛い雰囲気にはならないと思います。

初参加とリピータ*3の割合も、グラフにしてみました。リピーターそんなに多くないよ!

その他

気づいたこととかをバラバラと。

お土産紹介

情報科学若手の会は全国各地から参加者が集まるので、お土産を持ち寄って宴会の時にみんなで食べるのが習慣になっています。今年は 倍返し饅頭 を持って行こうと思っていたのに、品切れで買えず(´・ω・`)*4 代わりにミックリマンチョコを持って行きました。

このお土産は結構楽しいのでぜひ継続していきたいのですが、参加人数が多いので一人一分でも一時間近くかかってしまったり、乾杯した直後だとあまり聞いてなかったりするのがちょっともったいないと感じました。リストにまとめて印刷してどこかに貼っておいたりするか、最初の自己紹介の時に一緒にお土産を紹介してもらうのがよいかなーと思いました。

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懇親会の様子

発表時間について

毎回物議を醸している(?)発表時間ですが、今回、一般参加者の発表時間は発表30分質疑10分の計40分でした。個人的には、冬の陣のようにもっと短い発表がたくさんある方がよいかなと思ってます。本発表の方が40分とハードルが高いため、夜の飛び入りセッションの発表希望者が増えているんじゃないかと思っています。僕も40分は話せないので、前回も今回も夜セッションでお話ししました。 以下、こんなのはどうだろうかと個人的に思っている案です。

  • 基本の発表時間は15分程度
  • 希望すれば、枠の空き具合によって長時間発表(40分程度?)も可能
  • 座長は、参加者の中から幹事が指名

集金について

参加者が増えて、お金数えるの大変そうなので、PeaTiX等のイベント支援サイトで集金すると作業や心理的負担を減らせるかなーと思いました。

セキココ

今回から、セキココ という座席表サービスを導入しました*5。これだけの人数がいると、顔と名前とアカウントが一致しないので、少しでも覚えるきっかけになればと思って。「セキココのおかげで会話のきっかけになった」と言ってくれたりして、まさにそれが狙いだったので、導入してよかったです。

まとめ

小並感*6ですが、今年も楽しかったです。幹事の @さん、@さん、 @さん、 @さん、 @さん、 @さん、 @さん、 そして参加者のみなさん、ありがとうございました!

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今回 @ さんが構築したネットワークのおかげで、快適なインターネット環境で過ごすことが出来ました。

若手の会が終わると、夏が終わった感じがしてとても寂しいのですが、また来年の若手の会を楽しみに1年間頑張ろうと思います。では!

2013-09-16 13.25.00

*1:当時、宇宙研や他大の宇宙プラズマ系大学院生はだいたいみんなやってた。今はもうやらなくなったけど。

*2:把握してる限り

*3:把握してる限り

*4:でもそういえば半沢直樹見てる人が結構少なかったので、買ってこなくてよかったかも

*5:紹介の際に紛らわしい言い方をしてしまったのですが、僕がサービスをつくったわけじゃなくて、利用させていただいているだけです。

*6:小学生並みの感想