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yumulog | 社会人博士の日記

はてなブログに引っ越しました / 石川県に引っ越しました

研究室を変えるということ


「2つ以上の研究室を渡り歩いた&歩きたい人の集い」という集まりに参加してきた。集いと言っても参加者8名と少人数。そのためじっくりと話ができてよかった。話の内容は上記テーマに限らず多岐に渡り、非常に面白かった。参加者の方々は皆、様々な方面で活躍しており、それでいて目標や問題意識はとても共感でき、とてもよい刺激となった。


刺激を受けた勢いのまま、よい機会なのでこのお題について自分の考えをまとめて書きだしてみることにした。あくまで私の一個人の意見をまとめただけで、会で出た意見をまとめたわけではないことに注意願いたい。


「研究室を変える」には、大きく以下の2つに分けられる。

  • 同じ分野で研究室を変える
  • 違う分野へ研究室を変える

奇しくも、自分はその両方を経験してきた。学部→修士で同じ宇宙プラズマ分野の他大学の研究室に移った。学部・修士→社会人・博士では、地球惑星科学の宇宙プラズマ分野から、情報科学のネットワーク分野に(かなり壮大に)専門分野を変えた。自分の経験を踏まえつつ、ここでは一般的な話として述べたい。

同じ分野で研究室を変える

メリット
  • 人脈が2倍になる

特に、博士を出て PD → パーマネントなアカデミック職を得ようとしている場合には、人のつながり重要。自分は、元所属の大学が実家近くなので、帰省の度に顔を出せたというのもよかった。

  • 研究室の特徴が、両者の比較により客観的に見られる

教員や先輩の指導スタイル、研究室運営、学会参加の積極性や旅費援助の有無、PCや実験機材の充実度などなど。

デメリット

会でも言っていたけど、正直思いつかない。分野によっては、同じテーマを継続して研究しないと成果が出にくいということもあるのかもしれない。

違う分野へ研究室を変える

メリット

(同じ分野で研究室を変える、で出た項目に加えて)

  • 分野の特徴が、両者の比較によって客観的に見られる

研究者の数、国際会議の査読の有無、学会でのポスター発表の有無、論文誌の通りやすさ、業績としてのプロシーティングや和文論文誌の位置づけなどなど。分野が違えば文化も違う。研究の世界に浸かった人でも、分野を変えればカルチャーショックの連続だと思う。

  • 分野の常識にとらわれない

その分野での常識が無い分、他の研究者と違う視点で研究を捉えることができる。その分野の定番の研究手法よりも優れた手法をすでに知っているかもしれない。

  • 専門性が2倍

進める道も2倍(かそれ以上)。

  • 新たな研究テーマを生み出すことができる

境界領域と呼ばれる、未知の領域の研究課題に取り組むことができる。そのテーマが広がれば研究分野を創ることもできる。

デメリット
  • 成果が出にくい

研究を成果(論文や学会発表)として世に出せるまでにはそれなりの時間を要するので、1つの研究テーマを継続しないと成果が出にくい可能性がある。特に、博士に進む場合には学振を取れるかどうかは非常に大きい問題で、DC1の書類提出はM2の5月にあるため短期間での成果が求められる。

研究室を変えるためにすること

重要なのは

  • とにかく話を聞きに行く

研究科や専攻主催の公式の説明会の他にも、アポさえとれば多くの研究室が話を聞きに行くことを受け入れてくれるはず。ちなみに自分は、あまり話を聞きに行けずに、わりとえいやで選んでしまった。その割に、本当に良い研究室に行くことができた幸運を感謝している。

研究室を選ぶ際にポイントとなる項目は
大学院修士向け研究室情報チェックリスト(箇条書き版) - 発声練習
によくまとまっているので、こちらをご参考に。

まとめ

基本的には、研究室を変えることはいいことだらけ、というスタンス。でなきゃ、このような記事は書いてないだろうし。


学振も、M1 の1年間で成果を出すことは十分に可能だし、DC1では成果よりも研究計画や意欲を重視するということもあり、研究室云々よりも要はその人次第かもしれない。


先生によっては、別の研究室に移ることをあまり良く思わない方もいるかもしれない。面倒をみた学生が他へ行ってしまうのは寂しいというのもよくわかるが、今生の別れではあるまいし、結局は出す方も出る方も互いにプラスになるはず。(こう言ってしまうと身も蓋もないが)学費払ってる学生に選ぶ権利があるわけで。


というわけで、研究室を飛び出してみませんか。