yumulog

北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

企業研究

「企業研究」「業界研究」っていう言い方が好きではない。

実際に行っているのは情報収集であり、研究じゃないじゃん。



と言うか、そもそも研究とは何だろう。

自分がイメージする研究というのは、「新しい事実や方法や理論を発見をするために行うこと」。ここでの「新しい」というのは、自分にとって新しいということではなく世の中にとって新しいということ。



Wikipedia によると





研究 (けんきゅう) とは、ある特定の物事について、(1)人間の知識を集めて考察し、(2)実験、観察、調査などを通して調べて、その物事についての事実を深く追求する一連の過程のことである。語義としては「研ぎ澄まし究めること」の意。



上記のうち、(1)のタイプの研究は英語ではstudyに相当し、人文学系の研究の多くがこれにあたる。このタイプの研究をする人は、学者(student; scholar)と呼ばれることが多い。一方、(2)のタイプの研究は英語ではresearchに相当し、科学的研究がこれにあたる。このタイプの研究をする人は、学者というよりも研究者(researcher)・科学者(scientist)と呼ぶ方が適している。日本語では、これら2つの異なる知的活動がどちらも同じ「研究」と呼ばれるため、誤解と混乱を引き起こしている。






なるほど、自分のイメージする研究はちょうど (2) のタイプにあたる。確かに企業研究は (1) のタイプと言えなくは無い。



Wikipedia の続きを見ると





研究の目的は突き詰めれば、新しい事実や解釈の発見である。それゆえ、研究の遂行者は、得られた研究成果が「新しい事実や解釈の発見」であることを証明するために、それが先行研究によってまだ解明されていないことも示す必要がある。また、自身の研究成果が新しい発見であることを他の研究者によって認めてもらうためには、学会などにおいて研究成果を公表しなければならない。どんなに優れた研究成果が得られても、それが他の研究者によってすでに明らかにされていたとすれば、それは研究とは認められない。そのため、公表されない研究はどんなに優れた発見がなされていても、研究ではない。





これは自分のイメージと合致する。これだと、企業研究は研究とは言えない。企業研究の突き詰めた目的は「就職すること」。



やっぱ企業研究は「研究ではない」。ということでちょっとすっきりしましたが、どうでしょうか。