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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

イラン戦講評

別に負けたことを責めるわけではない。イランは強かったし、10万人入った、標高1000m のアザディスタジアムは条件的にきつかったのかもしれない。



しかし、昨日の敗戦はそれ以前の問題。



サッカーの試合ではいろいろな悪い要素や運が重なった結果が敗因となるので、敗因を一言で言うことはほとんどできないが、昨日の場合は、システムを 4-4-2 にしたことでチームとして機能していなかったのが明らかだった。



絶対にあってはいけないマークのずれが何度もあって、何度相手をペナルティエリア付近でフリーにしたことか。2点目の失点のシーンでは、何で真ん中にいたハシェミアンのマークが逆サイドの加地なんだよ。そしてもう一人ファーサイド寄りにいた人のマークは中田が付いてたのだけどボランチの福西か小野の仕事だろ!なんで中田が戻ってるのにボランチが戻ってないのよ。失点シーンだけじゃなく、試合を通じてボランチのカバーリングが全然出来てなかったと思う。



そして、MFとDFラインのスペースが空いてたから、中盤でボール取られたらカウンターがすぐに3対3の形になったりしていた。ちょうどマハダビキアハシェミアンが動きやすいスペースになっていて、「どうぞご自由にお入りください」と言ってるのも同然。



カウンターを食らう要因となったのは攻めのときのポジショニングの悪さ。イランが他のチームよりもかなり強く前からプレッシャーをかけてきたのと、4バックなので(4バックに慣れていないので)DF、サイドバックが積極的に上がっていけない、MFもどこにいればいいのか分からない、結果ハーフライン付近で手詰まりになってロングボールに頼るか、不用意な横パスをとられてカウンターを食らった。



以上より、昨日の試合は全然試合になっていなかった。相手以前の、自分達自身の問題。





その他、個人として際立って悪かったと思うのは三浦淳と高原。



三浦淳は終始動きが硬く、左サイドからの攻撃の展開が出来ず、その結果として右サイドの加地にボールもマークも(ブーイングも)集中した気がする。動きが硬かったのは、今までほとんど試合に出ていなかったのがいきなりアウェーサポーター10万人の中、最終予選の大一番に出場させられたからだと思うが、今まで三都主をひいきし、後半バテても換えなかったジーコにつけが回ってきたように見える。



高原はかなり動きが悪かったように思えるが、そもそもボールに触る回数が少なすぎた。高原のポジショニングかMFのパスか、どちらに原因があるのかわからないが、玉田よりも先、後半10分ぐらいには交代すべきだった。高原が自陣深くでボールを持ってパスミスするシーンがあったが、あれで万が一失点でもしたならDF、GKはやってられない。遅くともそのシーンで交代を決断すべきだった。



中沢は今までは後ろに宮本がいたから安心してガンガン当たりにいってたが、今回は自分が最終ラインなのだから自分は引いてボランチやサイドバックを使って行かせることも必要。



全員ポジショニングに戸惑っていた感がある。頭では分かっていても体が慣れていない、といったところだろうか。日本代表はやはり3バック体質が抜けきっていないようだ。今までトルシエ時代も含めてさんざん3バックでやってきたのだから無理も無いが。













3/30 のバーレーン戦、応急処置として3バックでやってほしい。中盤選手の充実度を考えると4バックがふさわしいという考えは分かるが、この状況ではやむを得ない。



ところで、日本代表は帰ってきてから4日後にさいたまでバーレーンと試合をするわけだが、そのバーレーンは昨日北朝鮮で試合をしているので時差の影響がほとんどない。ホームの試合なのにとても理不尽さを感じる。







それにしても昨日の試合、マークのずれ方といい、まるでコンサドーレの試合をみているようだった。