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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

つくばコネクトキャンプ2018(ニコニコ学会βサマーキャンプ改め)に参加しました。

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つくばコネクトキャンプ2018(ニコニコ学会βサマーキャンプ改め)に参加しました。楽しかった!!!!!!

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最近、脳と睡眠が自分の中でホットトピックなので、筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)を訪問できてお話し聞けたのがとてもよかった。研究サポートスタッフを含めて研究環境がすごく良いことが伝わってきたし、広報をすごくしっかりされているのは国研の人として参考になった。 家庭用脳波計を安く作れないのかなーと最近ずっと気になっててそれを質問したら、まさにそれのスタートアップをIIISから昨年10月に立ち上げてた。知らなかった!

VR・HCI界隈で話題の筑波大学エンパワースタジオにも初訪問。身体を5mに拡張するBig Robotや世界最大のVRシステムLarge Spaceなど、スケールが大きすぎてすごかった。インパクトあって良いなあ。

アンカンファレンスでは、アカデミアと野生の研究について思ってたことを言語化できた気がしてよかった。世の中に解かなきゃいけない課題はたくさんあるので、本職の研究者だけだと手が足りないんだな。

あと、研究者が起業する話も、最近ぼんやり考えてることなので(それに、やるならつくばだよなーとも思ってる)、完全に俺得な話題でした。

ここ最近はいろんな人に「この先、何やるの?」って聞かれることが多く(今回もやっぱり聞かれた)、でもまだあんまり決めてなくていろいろ考えてる状態です。それを考える上でヒントになりそうな情報収集・整理が今回の合宿でけっこうできました。あと、三浦亜美さんが自己紹介で「多動」って言ってたのがすごく印象的でした、自分もこのタイプなので。それで気づいたのが、多動には、ガッとやってキチッと形にして(または見切りをつけて)からパッと移るのが大事で、同じいろんなことに手を出すにしても並行して長くやるのはあんまり良くないのかな。前者は完全にGOROmanさんを思い浮かべてます。

企画、準備をしてくれた江渡さんくとのさんはじめその他の方々、講師の方々、見学に対応して頂いた方々、そして参加者の皆さん、ありがとうこざいましたー!!

CHI勉強会2018北陸会場をJAISTで開催しました #chi2018j

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幹事として、CHI勉強会2018の北陸会場をJAISTで開催しました。

CHI勉強会は、Human-Computer Interaction(HCI)研究のトップカンファレンスCHIの全ての論文(今年は666本)を1セッション(4本程度)ずつみんなで手分けして読んで、スライドに要約して、丸一日かけて発表する会です。東京、北海道、関西、北陸と4拠点をテレビ会議にて接続して連携して開催します

北陸会場の開催は今年が初です。近くで開催されれば移動が楽というのもありますが、北陸圏でHCIを軸に横のつながりをつくる機会になればと思って企画しました。 石川に住んでちょうど3年半になり、たくさんの地元の研究者との繋がりはできましたが、北陸にはまだまだ多くの大学があり教員も学生もたくさんいるはずなので。

おかげさまで、初回にもかかわらずいろんな組織からたくさん参加して頂けました。ありがとうございました。発表者数は少なかったですが、これは初回だったため仕方ない面もあると思うので、今後も継続して開催していければと思っています。そのためにも、北陸圏の研究者の方々、ぜひ協力をお願いします。

勉強会の発表スライドはWebで公開されており、参加者に限らず誰でもダウンロードすることができます。HCI分野を俯瞰するのにはこれ以上無い非常に有用な資料だと思います。

Japan Open Science Summit 2018(JOSS2018)に参加してきた #JOSS2018

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学術総合センターで昨日まで2日間開催してたJapan Open Science Summit 2018(JOSS2018)に参加してました。面白かったー!!!!

オープンサイエンスを対象とした日本では初めての会合で、もちろん今年が初回。ここ最近オープンサイエンスにとても興味があり、スケジュール的には若干厳しかったのですがまたとない機会なので参加。こういうのは初回が面白いのでね。わざわざ見に行ってよかった。

オープンサイエンスの中でも自分が特に興味があるのが「シチズンサイエンス」の分野(いままで関わってきたSpaceAppsやニコニコ学会βの活動ともつながる)で、『シチズンサイエンスから共創型イノベーションへのNext Step』セッションが特に良かった。江渡さんも登壇してニコニコ学会βからの共創の話をされました。

ただ、全体的にデータリポジトリの話が多めで、シチズンサイエンスのセッションがそのひとつしかなかったのが残念。来年はもっと増えてほしい。帰り際に武田先生と話せたので「来年は『ハッカソンシチズンサイエンス』セッションをやりたいです!」と伝えておきました。あとは「クラウドファンディング」「DIYバイオ」セッションとかも面白そう。

Togetter

書籍紹介『「ハードウェアのシリコンバレー深圳」に学ぶ』

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深圳で電機メーカーを経営する藤岡さんの本。帯に「たった一人で深圳へ乗り込んだ、若き経営者の10年奮闘記」とあるように、藤岡さんが深圳で起業するに至る経緯から、深圳での工場経営の苦労など、まさに半生記として記されている。現地で社員を雇用して工場運営する上で身についていった深センの文化などもよくわかる。

日本のハードウェア・スタートアップも、量産を深センでする場合が増えているが、量産するときに単に単価の安い工場として深センを使ってもダメで、エコシステムに上手く乗らなければいけない、ということがよくわかる。

ニコ技深センツアーで藤岡さんの会社「JENESIS」の工場見学に行ったときにもお話しを伺ってとても興味深かったのだが、この書籍ではその興味深い話がより凝縮されて余すところなく書き記されていて、読み進めるのが惜しくなるくらい面白くてあっという間に読んでしまった。

以下、書籍の本文中から、気になった文を抜粋

  • 有象無象の会社を知っているだけでは役にたたない。どの企業が信頼がおける会社なのかを知り、彼らと表面上ではなくビジネスの付き合いができるようになって初めてネットワークを作ったと言える。
  • お年玉を貯めてこの商品を買ってくれた中学生はがっかりしないだろうか
  • (华强北の)モデルとなったのは秋葉原の電気街
  • 海賊版を作っていた会社と展示会で商談
  • 初めてハードウェア製造に挑むスタートアップ企業は私の提案を受け入れないことが多い。
  • 小ロットでも低コスト短納期の開発製造が可能な点が深圳の魅力だが、ひとたびエコシステムから外れると、こうしたメリットは一気に減じてしまう。
  • ハードウェアの性能は必要最小限に抑えること
  • クラウド側でできること(クラウドコンピューティング、ストレージ)はクラウド側に全部やらせるべき
  • 世界に1つしか存在できない、稀有な場所が深圳