yumulog

北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

Mastodonインスタンス立てた時にメール設定でハマったこと

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Mastodonが流行ってるので、自分でインスタンス(鯖)を立ててみました。Mastodonというのは超ざっくり言うとオープンソースな分散型Twitterみたいなものです。

いまは特に制限を設けてないので、ご自由に登録してください。私のアカウントは https://mastodon.yumulab.org/@yumu です。

インスタンスを立てるのは、この記事の通り作業すればできます。私は Ubuntu 16.04 LTS on Google Compute Engine だったのですが、docker-composeが使える環境であれば基本的な手順は同じです。

構築自体はスムーズに行ったのですが、メール周りで2点ほどハマったので共有します。

Google Compute Engineがポート587を通さない

メール送信のためにSparkPostというサービスを使用していて、SMTP AUTHを利用してポート587宛に送るのですが、Google Compute Engineでは25,465,587はブロックされているのでした。

SparkPostのサポートページにも “Alternately, port 2525 can be used in environments where port 587 is blocked (such as Google Compute Engine).” ってちゃんと書いてました。

SparkPostのメール上限

立ち上げ時にはちゃんと飛んでいたメールが、ある時から突然飛ばなくなりました。原因は、SparkPostのメール送信上限値に達していたからでした。SparkPostは1日あたりメール5,000通送れるはずで、全然上限に達してないはずだけどなんでだろう?と思ったら、この上限値は、送信元メールアドレスに独自ドメインを設定した場合で、SparkPostのドメイン( sparkpostbox.com )を利用して送信した場合にはもっと少なくなるようです(アカウントで最大50通という情報も見かけましたが、何もしてないのに途中で送信できたりしたので、1日の上限値がある気がします)。SparkPostを利用する場合にはきちんと独自ドメインを設定しましょう。 それにしてもこのエラー、SparkPostのダッシュボードに何か表示してほしかった。。。

メール周りのエラーログはSidekiqで

上記のトラシューのためにコンテナの中を見てみたりしてもどこにログが吐かれているのか全然わからなくて作業が全然進まなかったのですが、メール周りのエラーはSidekiqで見ることができました。 Sideqikは非同期処理のジョブを管理してくれるRuby gemで、インスタンス管理者の人は、ブラウザの設定画面から「ユーザ設定」→「Administration」→「Sidekiq」で管理画面を見ることができます。

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さいごに

CIVIC TECH FORUM 2017「社会インフラとなったオープンソースコミュニティに学ぶコミュニティ運営のコツ」に登壇しました #civictechjp

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2017年3月25日(土)にNagatacho GRIDで開催されたCIVIC TECH FORUM 2017のパネルディスカッション「社会インフラとなったオープンソースコミュニティに学ぶコミュニティ運営のコツ」に登壇しました。登壇者は

の3名です。

セッションに関するTogetterはこちら

セッションの様子はYou Tubeアーカイブされています。(1:20:45〜2:15:45)

グラレコ(グラフィックレコード)での記録もして頂きました。

「メンバーの流動性」「運営資金」「コミュニティの成果」などのトピックについて議論しました。主に「コミュニティ参加者のモチベーション」が軸になって話が展開されていったように思います。

また、セッションでは触れませんでしたが(終わった後に思い出した)、オープンソースコミュニティやコミュニティ運営について知りたい方は、以下の2冊の本がとてもオススメです。

アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには (THEORY/IN/PRACTICE)

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ここ数年、コミュニティ運営についていろいろと考えることが多く、運営についてのディスカッションをやりたいと思っていたので、今回お声がけいただいてとても嬉しかったです。1時間のセッションでしたが、このメンバーならあと2〜3時間は語っていられるようなセッションでした。

福島さん、法林さん、コーディネータのまなみん、スタッフの皆さん、来場者の皆さん、ありがとうございました!

Raspberry Pi 3をAmazon Echo化してみた

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週末でRaspberryPi3のAlexa(Amazon Echo)化をやってみました。こんな感じです。

Amazon Voice Service(AVS)という、Amazon Echoのソフトウェアと同等のものが使用できるサービスが公開されています。そのサンプルクライアントがオープンソースで公開されており、それをRaspberry Pi 3にインストールしました。音楽を再生できないなど実機との差異は多少ありますが、Skillのインストールもでき、概ねEchoと同様に動くようです(よくわかってない)。 インストールは、ここの手順に従って進めるだけで数時間でできます。僕は、ProductID = Webで入力したDevice Type ID というのがわかりづらくてちょっとハマり2度インストール作業を行ったので、それがなければインストール自体は1時間くらいでできたと思います。日本語の記事もいくつかあるんですが書かれた時期によって微妙に手順が異なるので、英語ですがこのページよみながら進めるのが良いと思います。

Amazon DeveloperというサイトにログインするためにAmazon.comのアカウントが必要です (Amazon.co.jpAWSアカウントではダメ)。

Raspberry Piを使うと、マイクやスピーカーの設定や、X(GUI)を上げる必要がありモニタかVNC接続が必要だったりといろいろ手間がかかるので、Macでやる方が楽です。 マイクは、USBヘッドセットを使いました。この辺の設定が必要です(たぶん)。

ちなみに、Alexaちょっと触ってみたいという方は、EchosimというWebサービスがあり、Amazon.comのアカウントでログインするだけで使えます。実機が必要なくちょっと試すだけならこれが断然楽です。Skillのインストールもできます。

ほんとはこの後に好きなコマンドを実行するところがやりたかったんですが、Lambdaがよくわからず時間切れ。続きはまた来週やろうと思います。

おわりに

日本だとまだ発売しておらずそれほど話題になっていない Amazon Echo / Alexa ですが、世界的にはもう結構広まり始まってるようです。

参考

2016年に読んだ本

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今年は18冊読んだようです

昨年と同じ冊数ですね。98冊(2010)→50冊(2011)→36冊(2012)→37冊(2013)→22冊(2014)→18冊(2015)→18冊(2016)と、年々減少してたのが、下げ止まりました。

今年読んだ本からオススメを8冊紹介します。

眠っているとき、脳では凄いことが起きている

眠っているとき、脳では凄いことが起きている: 眠りと夢と記憶の秘密

眠っているとき、脳では凄いことが起きている: 眠りと夢と記憶の秘密

マンチェスター大学の脳神経科学者が著者で、最先端の脳科学研究に基づいた新しい情報が書かれている。 脳の構造や記憶定着のメカニズムもわかりやすく解説。脳の構造や働き、特に睡眠が脳に与える役割というのが個人的には非常に興味のあるトピックだったので、そんな興味にピッタリの本だった。脳科学についての背景知識はほとんどなかったけど、問題なく読めた。

研究を売れ!

研究を売れ!―ソニーコンピュータサイエンス研究所のしたたかな技術経営

研究を売れ!―ソニーコンピュータサイエンス研究所のしたたかな技術経営

ソニーCSL夏目さんの「研究営業」について書かれた本。研究自体の内容も面白いのだけど、研究がどういう風に事業化に結びつき、そのためにどういう営業を行っていたか書かれていてとても面白い。そもそも研究営業を持つ研究所というのが、日本の他の企業にはない体制なのではないか。前前前職のKoozyt(ソニーCSLからスピンアウトした初の企業)の事例ももちろん載ってます。

ソニー復興の劇薬

SAPプロジェクトと呼ばれる、ソニー内での社内スタートアッププロジェクトについてのはじまりからいままでの経緯について詳細に記載されている。「MESH」「FES WATCH」「wena」「Qrio」といったプロダクトは、このSAPの成果である。大企業がイノベーションのジレンマを回避する手法のひとつとして、非常に興味深い。

メイカーズのエコシステム

高須 @ さんの本。深センをはじめとした世界のメイカーズムーブメントについてまとめられた本。めちゃくちゃ面白くて情報も豊富なので、Maker Faireとかによく行く人にはもちろん、メイカーズムーブメントになんとなく興味あるけどよくわかってないという人にぜひ読んで欲しい。

物を作って生きるには

いわゆる「メイカーズ・ムーブメント」を体現している、TechShopでスキルを身につけたりして好きなものをつくって稼ぐことができるようになった23名のエッセイ・インタビュー集。日本語版では、日本人6組のエッセイ・インタビューも追加されている。特に、Maker Faireでおなじみの「手作りプラネタリウム・3D映像」のヒゲキタ @ さんがプラネタリウムを始めて今に至る経緯や、RAPIROなどのプロダクトを制作した石渡 @ さんが起業前に必要なスキル(開発だけではなく営業やデザイン)を身につけた戦略が面白かった。

ニコニコ学会βのつくりかた

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ニコニコ学会β実行委員長江渡さん、運営委員長くとのさんがニコニコ学会βの仕組みづくりや運営について書いた本。フォーカスされる機会が少ない運営側の話で、4年間のニコニコ学会βの活動を凝縮して振り返ったような感覚で面白かった。

有志イベント運営について書かれた本はあまりないので、イベント運営する人にはぜひ読んで欲しい。

なぜあなたの研究は進まないのか?

なぜあなたの研究は進まないのか?

なぜあなたの研究は進まないのか?

「研究テーマの設定」や「研究活動の困難を突破すること」について書かれており、後半にはメンタルや生活を整えるライフハック的な内容にも触れています。「研究とはどういうものか」ということがわかるので、研究を始めたばかりの学生が読んで研究活動についての理解を深めたり、研究者が手元に置いておいて研究に行き詰まった時に読み返すのによさそうです。

なぜあなたは論文が書けないのか?

なぜあなたは論文が書けないのか?

なぜあなたは論文が書けないのか?

論文の執筆に必要な作業が列挙され、論文の各章「Introduction」「Materials and Methods」「Result」「Discussion」の役割を明確に書き記しています。論文執筆の時間を確保するためのライフハック的なトピックも取り上げられています。文章を書く技術についても触れられていますが、そこはメイントピックではなく、論文の構成の組み立て方に主眼が置かれています。

上記2冊の詳細な紹介はこちらにも書いています。

マンガ

2015年の年末に よつばと! を読んだらめちゃくちゃ面白くてこういう面白いマンガにもっと出会いたいと思って、読んだ本の冊数にはカウントしてないのですが2016年は結構マンガを読んでました。2016年に読んで面白かったのは

よつばと!バクマン。は、人生で読んだマンガベスト5に入るくらい面白かったです。僕街は、シンガポールに行く機内で一気読みしました。面白かった。