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北海道の大学教員/情報科学研究者の日記

CIVIC TECH FORUM 2017「社会インフラとなったオープンソースコミュニティに学ぶコミュニティ運営のコツ」に登壇しました #civictechjp

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2017年3月25日(土)にNagatacho GRIDで開催されたCIVIC TECH FORUM 2017のパネルディスカッション「社会インフラとなったオープンソースコミュニティに学ぶコミュニティ運営のコツ」に登壇しました。登壇者は

の3名です。

セッションに関するTogetterはこちら

セッションの様子はYou Tubeアーカイブされています。(1:20:45〜2:15:45)

グラレコ(グラフィックレコード)での記録もして頂きました。

「メンバーの流動性」「運営資金」「コミュニティの成果」などのトピックについて議論しました。主に「コミュニティ参加者のモチベーション」が軸になって話が展開されていったように思います。

また、セッションでは触れませんでしたが(終わった後に思い出した)、オープンソースコミュニティやコミュニティ運営について知りたい方は、以下の2冊の本がとてもオススメです。

アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・コミュニティ ―「貢献したい気持ち」を繋げて成果を導くには (THEORY/IN/PRACTICE)

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ここ数年、コミュニティ運営についていろいろと考えることが多く、運営についてのディスカッションをやりたいと思っていたので、今回お声がけいただいてとても嬉しかったです。1時間のセッションでしたが、このメンバーならあと2〜3時間は語っていられるようなセッションでした。

福島さん、法林さん、コーディネータのまなみん、スタッフの皆さん、来場者の皆さん、ありがとうございました!

Raspberry Pi 3をAmazon Echo化してみた

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週末でRaspberryPi3のAlexa(Amazon Echo)化をやってみました。こんな感じです。

Amazon Voice Service(AVS)という、Amazon Echoのソフトウェアと同等のものが使用できるサービスが公開されています。そのサンプルクライアントがオープンソースで公開されており、それをRaspberry Pi 3にインストールしました。音楽を再生できないなど実機との差異は多少ありますが、Skillのインストールもでき、概ねEchoと同様に動くようです(よくわかってない)。 インストールは、ここの手順に従って進めるだけで数時間でできます。僕は、ProductID = Webで入力したDevice Type ID というのがわかりづらくてちょっとハマり2度インストール作業を行ったので、それがなければインストール自体は1時間くらいでできたと思います。日本語の記事もいくつかあるんですが書かれた時期によって微妙に手順が異なるので、英語ですがこのページよみながら進めるのが良いと思います。

Amazon DeveloperというサイトにログインするためにAmazon.comのアカウントが必要です (Amazon.co.jpAWSアカウントではダメ)。

Raspberry Piを使うと、マイクやスピーカーの設定や、X(GUI)を上げる必要がありモニタかVNC接続が必要だったりといろいろ手間がかかるので、Macでやる方が楽です。 マイクは、USBヘッドセットを使いました。この辺の設定が必要です(たぶん)。

ちなみに、Alexaちょっと触ってみたいという方は、EchosimというWebサービスがあり、Amazon.comのアカウントでログインするだけで使えます。実機が必要なくちょっと試すだけならこれが断然楽です。Skillのインストールもできます。

ほんとはこの後に好きなコマンドを実行するところがやりたかったんですが、Lambdaがよくわからず時間切れ。続きはまた来週やろうと思います。

おわりに

日本だとまだ発売しておらずそれほど話題になっていない Amazon Echo / Alexa ですが、世界的にはもう結構広まり始まってるようです。

参考

2016年に読んだ本

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今年は18冊読んだようです

昨年と同じ冊数ですね。98冊(2010)→50冊(2011)→36冊(2012)→37冊(2013)→22冊(2014)→18冊(2015)→18冊(2016)と、年々減少してたのが、下げ止まりました。

今年読んだ本からオススメを8冊紹介します。

眠っているとき、脳では凄いことが起きている

眠っているとき、脳では凄いことが起きている: 眠りと夢と記憶の秘密

眠っているとき、脳では凄いことが起きている: 眠りと夢と記憶の秘密

マンチェスター大学の脳神経科学者が著者で、最先端の脳科学研究に基づいた新しい情報が書かれている。 脳の構造や記憶定着のメカニズムもわかりやすく解説。脳の構造や働き、特に睡眠が脳に与える役割というのが個人的には非常に興味のあるトピックだったので、そんな興味にピッタリの本だった。脳科学についての背景知識はほとんどなかったけど、問題なく読めた。

研究を売れ!

研究を売れ!―ソニーコンピュータサイエンス研究所のしたたかな技術経営

研究を売れ!―ソニーコンピュータサイエンス研究所のしたたかな技術経営

ソニーCSL夏目さんの「研究営業」について書かれた本。研究自体の内容も面白いのだけど、研究がどういう風に事業化に結びつき、そのためにどういう営業を行っていたか書かれていてとても面白い。そもそも研究営業を持つ研究所というのが、日本の他の企業にはない体制なのではないか。前前前職のKoozyt(ソニーCSLからスピンアウトした初の企業)の事例ももちろん載ってます。

ソニー復興の劇薬

SAPプロジェクトと呼ばれる、ソニー内での社内スタートアッププロジェクトについてのはじまりからいままでの経緯について詳細に記載されている。「MESH」「FES WATCH」「wena」「Qrio」といったプロダクトは、このSAPの成果である。大企業がイノベーションのジレンマを回避する手法のひとつとして、非常に興味深い。

メイカーズのエコシステム

高須 @ さんの本。深センをはじめとした世界のメイカーズムーブメントについてまとめられた本。めちゃくちゃ面白くて情報も豊富なので、Maker Faireとかによく行く人にはもちろん、メイカーズムーブメントになんとなく興味あるけどよくわかってないという人にぜひ読んで欲しい。

物を作って生きるには

いわゆる「メイカーズ・ムーブメント」を体現している、TechShopでスキルを身につけたりして好きなものをつくって稼ぐことができるようになった23名のエッセイ・インタビュー集。日本語版では、日本人6組のエッセイ・インタビューも追加されている。特に、Maker Faireでおなじみの「手作りプラネタリウム・3D映像」のヒゲキタ @ さんがプラネタリウムを始めて今に至る経緯や、RAPIROなどのプロダクトを制作した石渡 @ さんが起業前に必要なスキル(開発だけではなく営業やデザイン)を身につけた戦略が面白かった。

ニコニコ学会βのつくりかた

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

ニコニコ学会β実行委員長江渡さん、運営委員長くとのさんがニコニコ学会βの仕組みづくりや運営について書いた本。フォーカスされる機会が少ない運営側の話で、4年間のニコニコ学会βの活動を凝縮して振り返ったような感覚で面白かった。

有志イベント運営について書かれた本はあまりないので、イベント運営する人にはぜひ読んで欲しい。

なぜあなたの研究は進まないのか?

なぜあなたの研究は進まないのか?

なぜあなたの研究は進まないのか?

「研究テーマの設定」や「研究活動の困難を突破すること」について書かれており、後半にはメンタルや生活を整えるライフハック的な内容にも触れています。「研究とはどういうものか」ということがわかるので、研究を始めたばかりの学生が読んで研究活動についての理解を深めたり、研究者が手元に置いておいて研究に行き詰まった時に読み返すのによさそうです。

なぜあなたは論文が書けないのか?

なぜあなたは論文が書けないのか?

なぜあなたは論文が書けないのか?

論文の執筆に必要な作業が列挙され、論文の各章「Introduction」「Materials and Methods」「Result」「Discussion」の役割を明確に書き記しています。論文執筆の時間を確保するためのライフハック的なトピックも取り上げられています。文章を書く技術についても触れられていますが、そこはメイントピックではなく、論文の構成の組み立て方に主眼が置かれています。

上記2冊の詳細な紹介はこちらにも書いています。

マンガ

2015年の年末に よつばと! を読んだらめちゃくちゃ面白くてこういう面白いマンガにもっと出会いたいと思って、読んだ本の冊数にはカウントしてないのですが2016年は結構マンガを読んでました。2016年に読んで面白かったのは

よつばと!バクマン。は、人生で読んだマンガベスト5に入るくらい面白かったです。僕街は、シンガポールに行く機内で一気読みしました。面白かった。

2016年の振り返りと2017年に向けて

f:id:yumu19:20170101211053j:plain Photo by Mashup Awards, CC BY-ND 2.0

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。 毎年なんだかんだでちゃんと振り返り的なブログをきちんと書いてるので、2016年の分も書きます。

仕事

何の仕事をしているのか不明と言われることが多いのですが*1、 国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)の有期研究員として働いています。準公務員という身分です。NICTに来てちょうど2年経ちました。2016年4月に役職が技術員から研究員に変わり、所属部署も変わりました。勤務地が変わってないのであまり目立った変化ではないように見えるのですが、やっぱり異動後初年度ということでいろいろ苦労したなと振り返ってみて改めて思います。来年はもっと上手くやれそうな気がします。

今年前半は、パケットヘッダを書き換えてWebアクセスを模倣するというシステムをつくって、OpenFlowいじりをしてました。

その後はIoT的な研究をしていて、なかなか方向性が定まらず苦労したのですが、早く成果公開できるようにがんばります。

学業

JAISTの学生としての発表は、NICOGRAPHのConference Track(査読あり)が1本のみでした。実はJournalとしてまとめて執筆・投稿していたものだったので不本意ではあるのですが、Journalの投稿プロセスを一通り経験し、有益な査読コメントを頂いたりもしたので、次のネタでJournal通します。

2010年10月に入学したJAIST博士課程(社会人コース)ですが、2017年9月で在学期限を迎えます。単位取得退学後2年以内に博士論文を提出すれば博士取得可能なので、それを目指してがんばります。

個人制作

2014年のABProで作ったやつ を少し改良してツイートしたらたくさんRTされて、テレビ番組(「とくダネ!」と「サンデー・ジャポン」)で紹介して頂きました。Maker Faire Singapore、NT金沢、Maker Faire Tokyoで展示もしました。

ポケモンGOブームに乗っかって、Twitterのフォローを外すボタンを「博士に送る」に変更するChrome拡張もつくりました。

昨年のABProでは、年収800万円以下でも寿司が止まって見える装置をつくって発表しました。昨年から温めてたネタだったので、ようやく実装して公開できて良かったです。その後発表したIoTLTに日経新聞社さんが取材に来てて、日経MJに掲載して頂きました。

今年は予想通り個人制作する時間があまりとれず、一番時間をかけた寿司が止まって見える装置でも制作時間半日くらいで、だいたい数時間でつくったものばかりです。年間トータルでも数日間くらいしか割いてない気がします。製作の時間よりも発表や展示にかけた時間のほうが圧倒的に長いと思います。

SpaceApps

2015年でSpaceApps Tokyoの事務局長を終え、2016年はSpaceApps全体のサポートをしつつ(十分ではなかったかもしれませんが・・・)、宣言通り主に宇宙業界向けに知名度向上のための活動をしていました。「宇宙科学情報解析シンポジウム」と「宇宙科学連合講演会」(通称:宇科連) という2つの研究会で発表しました。

加えて、G空間EXPOにてお声がけいただき「キミも宇宙の研究者になれる!? ~SENSORS presents 宇宙プロジェクト最前線」というセッションを西村真理子 @ さん、池澤あやか @ さんと開催し、その中でもSpaceAppsの活動をアピールしました。SENSORSでの記事にもして頂きました。

IPSJ-ONE

2015年より委員を務めるIPSJ-ONE、2015年は当日参加できず不完全燃焼に終わったのですが、2016年は最初から最後まで全力でサポートしました。@ 委員長をはじめとした初期メンバーは2016年で任期満了なので僕もこれで退任なのですが、2017年も聴講には行こうと思っています。

品モノラジオ

2016年から、塚谷 @ さんと一緒に「品モノラジオ」というPodcastを始めました。不定期ですがだいたい月一のペースで更新してます。石川に引っ越してから車移動が中心となったため、移動中にPodcastを聴くようになったのですが、自分でも配信してみたくなって、やってみました。編集などしないで撮って出しなので、手間もあまりかからずにできて、いい感じです。

おうちハック

これまでの活動を先日まとめました。

2016年は、おうちハック発表会の定期開催に加え、デブサミでLT大会をやったり、Mashup Awardsにてコミュニティ対抗LT大会に参戦したりしました。

あと、おうちハック同人誌をつくって冬コミC91にて頒布しました。同人誌をコミケで売るのは人生の目標の一つだったので、達成できて良かったです。次は2017/04/09(日)開催の 技術書典2 にて頒布予定です。

Make

ずっと行きたかった、高須 @ さん主催の深センツアーに初参加しました。これは楽しかったなあ。

その2ヶ月後、Maker Faire Singaporeにも参加・出展し、こちらでも高須さんに大変お世話になりました。シンガポール自体初めて行ったのですが、想像通りとても素敵な街でした。暑いのが難なので住むなら短髪短パン必須。

Maker Faire Tokyoでみた、和田永 @ さんのステージ「エレクトロニコス・ファンタスティコス」のボーダーシャツァイザーがすごかったです。とても衝撃的で、たぶんBest Impact of 2016です。

2017年に向けて

研究でも制作活動でも、やりたいことがたくさんあるのに時間がとれず、並行してやって結局中途半端になる、というのをずっと繰り返してきたので、そういうのはそろそろやめて、諦めるものは諦めて注力すべきことにきちんと注力していきたいなと思っています。上述の通り博士の研究がヤバくて(2軍生活のプロ野球選手並に毎年言ってる気がしますが)今年が勝負なので、今まで以上にプライベートに時間を割けなくなりそうです。毎年参加していたイベントにも今年は参加できないかもしれません。いろいろお断りして付き合い悪くなるかもしれませんが、ご容赦頂ければと思います。

という言い訳をしつつ、仕事でも仕事以外でもアンコントローラブルな時間の消費を避けていきたいと思っています。先日発売された「自分の時間を取り戻そう」という本のタイトルがすごくいいと思いました。中身は全く読んでないのですが。

歳を取るにつれてだんだん自分のコントロールできる時間が減っていく感じがしていました。特に2014年が一番ヤバくて、自分から頭を突っ込んでいったものばかりなので自業自得ではあるのですが、完全にオーバーフローしてました。その後、石川に移ったことで自分の時間を取り戻し始め、2015年でいろんな残件を片付け、2016年にはだいぶ取り戻せた気がします。2017年は時間の使い方の改善をより進めていきたいと考え、手始めに、Facebookを見る時間を減らすためにTwitterFacebookへの転送設定を解除してみたり、規則正しい生活を目指して寝室のヒーターのON/OFF時間を自働化してみたりしました。

それでは2017年もよろしくお願いいたします!

*1:TwitterにもFacebookにもきちんとプロフィール載せてるんだけどなぁ